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【独自取材】借金800万円で二度目の自己破産!厳しい現実とその後の体験談

自己破産は、これが初めてじゃないんです」と語るSさんは、中部地方で働く看護師です。

Sさんは、人生で二度の自己破産を経験しています。

20代の学生時代に初めての経験。そして30代後半になり、約800万円の借金を抱えて再び自己破産を経験します。

そこには、一度目の自己破産が「思いのほかあっけなく終わった」ことによる、知識不足と油断がありました。

この記事では、Sさんが二度の自己破産に至る過程とその苦労、再出発を果たした現在の生活を、当メディアの独自取材によって詳しく紹介します。

この記事の趣旨

この記事は、実際に借金を抱えて債務整理をした方へのインタビューを通じ、手続きの過程やその後の生活を浮き彫りにするものです。

借金の背景や債務整理のデメリットについても触れることで、債務整理を多角的に理解していただくことを目的としています。特定の手続きを推奨したり、成果を保証するものではありません。また、当事務所で受任した案件ではありません。

Sさん
40代・女性
職業 看護師
職業 会社員
家族構成 一人暮らし
年収 約400万円
借金の原因 生活費など
借金社数・総額 6社・約800万円

※共同運営:司法書士法人みつ葉グループ/弁護士法人・響
本メディアは、より質の高い情報を提供するため、司法書士と弁護士の知見を統合して運営しています。各種法令に基づき、適切な解決策をご提案します。

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あまりにもあっけなく終った一度目の自己破産

Sさんが最初に自己破産を経験したのは、まだ20代だった2008年頃です。

当時Sさんは、働きながら看護師になるための学校に通っていました。

しかし、実習が始まると仕事を続けることが難しくなり、貯蓄が底をつきます。

「実習が始まると毎日忙しくて、働くことは難しくなりました。友だちに相談したら『お金を借りちゃえばいいじゃん』って言われて…。

そこで足りない分をやりくりするだけの、軽い気持ちで借り始めました」

と、Sさんは借金をはじめたきっかけを語ります。

学費と生活費のために借入れを繰り返すうちに、気が付くと借金は約200万円になっていました。

返済が難しくなり滞納している彼女に、再び友人がアドバイスを送ります。

「『自己破産すればいいじゃん』って言われたので、私は『そういうものか』と軽く考えてしまいました。

自己破産が何かもよくわからず、借金がなくなる魔法のようなものだと思っていました」

当時のSさんにとって、自己破産は怖いものではなく、友人に教えられた便利な方法に過ぎなかったのです。

そして友人に紹介された弁護士のもとを訪れて、特に疑問も感じずに自己破産に踏み切ります。

「弁護士さんには『すぐ終わるよ』と言われました。本当にそれだけのやり取りです。

手続きはスムーズに進み*、裁判所に行くこともなく、半年足らずで免責が確定。あまりにも簡単に思えて『こんなものか』と少し驚きました」

*編集部注:個人の見解なので手続きの容易さを保証するものではありません。

しかし、このあっけなさが、二度目の悲劇の伏線となるのです。

自己破産とは?
裁判所に申し立てて免責許可を得ることで、ほぼすべての借金をゼロにする手続きです。

危機感がないまま借金が800万円に

一度目の破産後、Sさんは結婚し、看護師として活躍する平穏な生活を送っていました。

その後、離婚、さらには離職をした30代半ば、再び暗雲が立ち込めます。

当時フリーランスとして活動を始めたSさんは、収入が不安定な時期が続き、生活費を補うためにクレジットカードや消費者金融から借入れをしたのです。

さらに、ご実家の事情が追い打ちをかけました。

「親の体調悪化によって、実家への仕送りが必要になりました。自分の生活費も足りなくなりましたが、また借りればいいと軽く考えていました。

なんとか返済しても、枠が空いたらまた借りてしまうことの繰り返しでした」

借金が払えなくなれば自己破産すればいい、という感覚が彼女を麻痺させて、借金は雪だるま式に増えていったのです。

本来、自己破産をすれば「クレジットカードが作れない」「ローンが組めない」といった制限がかかります。

しかし、Sさんにはその危機感がなかったのです。

「一度目の自己破産後すぐに結婚したんです。だから家を借りるのもローンを組むのも、全部主人の名義で済んでしまった。

自分名義のクレジットカードが持てない不便さを、この時は全く感じなかったのです」

こうして自己破産に対する恐怖心がないまま、借金は増え続けていきました。

おまとめローンの利用でさらに厳しい状況に

気づけば、借入先は楽天銀行、レイク、静岡銀行、ドコモ(dカード)など計6社。元金だけで800万円、利息を合わせれば1,000万円を超える借金になっていました。

Sさんは、複数の返済を一本化しようと「おまとめローン」を利用します。

本来おまとめローンは「他社との契約はすべて解消する」ことが原則です。

しかしSさんは「もしもの時のために」と消費者金融の借入枠を残して、生活費が足りなくなると再び借入れを繰り返しました。

こうなるとおまとめローンの返済と、新たな借入先への返済が重なる「多重債務状態」に逆戻りです。

毎月の返済が7〜8万円になり、家賃などの固定費20万円を合わせると、手取り27〜28万円の給料では生活が成り立たなくなりました。

友人に『利息を入れたら総額1,000万円を超えるよ』と言われ、ようやく深刻さに気づいたのです」

と、Sさんは当時の状況を語ります。

二度目の自己破産は想像以上に厳しかった

自己破産の経験があったSさんは、迷わず弁護士に相談することを決断します。

「家も持っていないし、財産になるものも本当に何もなかったので、最初から自己破産を考えていました」

しかし、二度目の手続きは、一度目とは比較にならないほど厳しい現実が待っていました。

法律(破産法)では、前回の免責から7年経っていれば再度の申し立てが可能ですが、運用は非常に厳格になります。

二度目の自己破産において、裁判所が重視する点は「なぜ繰り返したのか」という点です。

そのため二度目の自己破産は、裁判所から選ばれた弁護士(破産管財人)が、破産者の財産や借金の経緯を徹底的に調べる「管財事件」となることが一般的です。

管財事件になってしまうと、裁判所費用が高額(予納金20万円〜)になってしまいます。

一度目とはやり方がまったく違いました。銀行の通帳を全て弁護士さんに預けて、残高をすべて調べられる。解約できるものは全部解約して、残高を0にしてと言われました。

財産目録というのも書きました。車は何に乗っているかとか、高額なものがないかとか厳しく聞かれました」

ところがSさんの場合は、目立った財産がなかったため、同時廃止事件として処理されたのです。

その裏では、担当の弁護士がSさんの話にあるような厳しい調査を行ったうえで、裁判所に「同時廃止上申書」を提出したと思われます。

自己破産の「同時廃止事件」「管財事件」については、下記記事で詳しく解説しています。

自己破産にかかった費用は約31万円

二度目の自己破産にもかかわらず同時廃止事件となったため、裁判所費用(予納金)は1万円程度で抑えられました。

Sさんが二度目の自己破産に要した費用は、おおよそ次の通りです。

費用項目 金額
弁護士着手金 約5万円
弁護士報酬金 約25万円
裁判所費用 約1万円
合計 約31万円

※編集部注:自己破産の費用は裁判所によって異なります。また弁護士費用は債権者数や事案の複雑さによっても異なります。

手続き中は収入に制限も

自己破産の手続き中、Sさんは依頼した弁護士から「毎月の収入を約15万円以下に抑えるように」との指導を受けました。

自己破産は、支払不能な人を救うための制度です。

そのため一定以上の収入があると「返済できるので免責を認めない」と判断される恐れがあるからです。

「もっと働けるのにあえて仕事をセーブしなければいけなくて、もどかしい時期でした。

とSさんは、手続き中の辛かった心情を吐露します。

裁判官との直接面談に緊張

一度目の破産時は書類審査のみで終わることが多いですが、二度目は「なぜ再び借金を繰り返したのか」を裁判官に直接説明する必要があります。

これは「免責審尋」という、裁判所へ出廷して裁判官との面談が必要なプロセスです。

Sさんは、その時の様子を次のように語ります。

「弁護士さんと一緒に裁判所へ行きました。10分程度の面談でしたが、とても緊張したことを覚えています。

事前に弁護士さんが『こういうことを聞かれるからこう答えてください』とアドバイスしてくれたので、そのとおりに答えていたら特に問題なく進みました。‎‎

裁判官からは『同じ過ちを繰り返さないように』と厳しい表情で言われたことが印象的です」

自己破産手続きの流れについては以下の記事で詳しく解説しています。

免責決定通知を見て「身体が軽くなった」

免責審尋から約1ヶ月後、自己破産の申立てから約7ヶ月経ったある日、Sさんの元に一通の封筒が届きました。

中に入っていたのは、裁判所が免責を認めたことを知らせる「免責決定通知書」です。

「何の前触れもなく、大きめの封筒が届きました。中を見ると『免責決定通知書』という紙が入っていました。

見た瞬間、これで終わりだ、明日から借金のことを考えなくていいんだ、と身体が軽くなった気がしました。‎‎

あのときの感覚は、今でも忘れません」

とSさんは、免責が決定したときの気持ちを、微笑みながら話してくれました。

自己破産後の生活には制限が

免責決定後、Sさんの借金800万円はゼロになりましたが、その後の生活には、いくつかの制限がありました。

賃貸住宅の契約が難しい

もっとも影響を感じたのは、賃貸住宅の契約時だといいます。

「一番大変だったのは住まいですね。賃貸の契約をするときに、保証会社の審査に通らないんです。

まったく借りられないわけではないようですが、借りにくいのは事実。私は友人に保証人になってもらい、なんとか借りることができました」

現在の賃貸住宅は、多くの家主さんが「家賃保証会社」への加入を条件にしています。

保証会社が「信販系(カード会社系列)」の場合、審査時に信用情報をチェックされるのでブラックリストに載っていると契約ができないことがあるのです。

自己破産後の賃貸契約については、以下の記事で詳しく解説しています。

携帯電話の契約ができない

自己破産した借金の中には、dカード(NTTドコモ系列)が含まれていました。

そのため、SさんはNTTドコモの携帯電話の契約ができなかったと言います。

「ドコモショップへ契約をしに行ったのですが、審査が通らないと言われました。

そのため、格安SIMを利用しています。スマホ端末も分割払いができなかったので、メーカーのWebサイトから直接購入しました。

自己破産をしても、すべての携帯電話や端末の購入ができないわけではありません。

Sさんのように、格安SIMや端末の一括払いを利用すれば、問題なく使えることが多いでしょう。

自己破産後の携帯電話の契約については、以下の記事で詳しく解説しています。

クレジットカードが使えない

また、自己破産後はクレジットカードやETCカードが使えなくなりました

「クレジットカードが使えなくなることはわかっていたので、銀行残高から即時引き落とされるデビットカードで代用しました。

電子マネーが使えるお店も多いので、日常の買い物で困ることはあまりありませんでしたね。

でもETCカードが使えなくなったので、車で高速道路に乗れないことは不便でした」

※編集部注:使えなくなったETCカードを車載器に入れたまま高速道路へ進入すると大変危険です。またクレジットカードがなくても使える「ETCパーソナルカード」も存在しています。

自己破産から8年たったいまでは、Sさんは新たなクレジットカードとETCカードを所有しています。

「自己破産から数年たってから、クレジットカードは作れました。

でも最初は利用限度額が低かったです。これは、少しずつ実績を積み上げていくしかないでしょうね。

自己破産した時に持っていた楽天カードは今後も作れないと思うので、申し込んではいません」

自己破産後のクレジットカードの利用については、以下の記事で詳しく解説しています。

自己破産は人生をやり直す制度

二度目の自己破産を経験して約8年が経過したSさん。いまでは看護師として、平穏な生活を送っています。

ご自身の体験を振り返って語った言葉には、さまざまな教訓が詰まっています。

「一度目の自己破産は若かったこともあり、あまり抵抗がありませんでした。あー借金なくなるんだ、くらいの気持ち。

でも二度目では、ローンが組めない、家も借りられないという現実を知り、乗り切れるのかという不安をとても感じました」

と、自己破産の本来の厳しさを語ります。

そして借金問題に悩んでいる方へ、次のようなメッセージを送ってくれました。

「自己破産は決して魔法ではありませんが、人生をやり直すための制度だと思います。

大変なことになるからと諦めず、まずは弁護士に相談するといいでしょう。

債務整理に詳しい先生なら、書類の集め方や裁判所でするべきことなど、親切に教えてくれるはずです」

借金問題に「もう遅い」ということはありません。

Sさんのように800万円の借金があっても、法律に基づいた手続きで解決することができます。

一人で悩まず、まずは弁護士へ相談してみることから始めてみませんか。

※インタビュー日:2025年11月27日
※当事務所で受任した案件ではありません。また個人の見解も含むため内容を保証するものではありません。

自己破産については、以下の記事で詳しく解説しています。

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