2020.05.28更新

2回目の自己破産はできない?免責できる条件とできないときの対処法

「2回目の自己破産をしたいけど、できるのかな?」
「2回目の自己破産をするときに、何か条件はあるの?」

自己破産は、法律上何度でもできることになっています。
ただし、2回目以降の自己破産は1回目よりも条件が厳しくなります。

こちらの記事では、

  • 2回目の自己破産をするための最低条件
  • 自己破産が認められないケース
  • 2回目の自己破産でかかる費用
  • 自己破産以外の借金整理の方法


などについて説明します。

自己破産は2回目でも免責される

自己破産は1回だけではなく何度でもすることができます

破産法という法律に、自己破産の回数制限はありません。
あまり例はありませんが、制度上は3回でも4回でも可能です。

また、自己破産できる金額にも制限はありません。
そもそも借金の返済不能となった場合の特別措置が自己破産という制度なので、重要なのは金額ではなく返済能力です。

ただし、2回目の自己破産が認められるためにはいくつか条件が必要です。
1回目に免責されたときよりも条件や手続きの負担などは厳しくなります。

2回目の自己破産ができる条件と注意点

2回目の自己破産をできる条件は2つ

2回目の自己破産を認められるためには、

  • 前回の自己破産から7年が経過していること
  • 前回自己破産をしたときと同じ理由ではないこと

という最低限の条件が必要です。

1.前回の自己破産から7年が経過している

法律上、自己破産に回数制限は設けられていませんので、条件が認められれば何度でも自己破産できます。

しかし、短期間のうちに自己破産を認めると、たびたび債務を免除されてしまいます。
これでは債権者にとって大変な不利益です。

そのため、短期間のうちに何度も自己破産が認められないように、前回の自己破産から7年が経過していることが破産法で定められています。

2.前回自己破産をしたときと同じ理由ではない

前回と同じ理由で債務を抱える人は、反省していないと見なされてしまいます。

自己破産は、債務を抱えすぎてしまった人を救済するための特別措置です。
反省のあとが見られない人は、裁判所から、再び自己破産を繰り返す可能性が高いと判断されて、救済の対象にならなくなってしまうのです。

自己破産には、「免責不許可事由」という自己破産が認められない条件が定められています。
反省する姿勢があれば、免責不許可事由に該当する理由でも、裁判所の判断で自己破産が認められるケースがあります(裁量免責)。
ですが、前回の自己破産と同じ理由であると裁量免責を受けるのは非常に厳しくなります。

【免責不許可事由の代表的な例】


  • ギャンブル、賭博(パチンコ、競馬など)
  • 射幸行為(FX、株式、先物、仮想通貨などの取引)
  • 遊興費(収入に見合わないショッピング、旅行、飲食など)
  • 転売行為(クレジットカードなどで購入した物を販売して現金化すること)
  • 債権者に意図的に損害を与えるための借金
  • 虚偽、隠匿、偽造(決算書、出納帳、債権者への説明など)

2回目の自己破産をするときの注意点

前回の自己破産から7年経過し、理由も前回と違うとしても、2回目の自己破産は1回目よりも負担が大きくなります。

手続きに関しては

  • 破産管財人の選定
  • 発生する費用
  • 時間と手間

の面で変わってきます。

破産管財人の選定

自己破産をすると、所有財産がなければ破産管財人が入ることなく同時廃止となることもあります。
しかし、2回目の自己破産となると、所有している財産の程度に関係なく、破産の理由を調べるために破産管財人が選定される可能性が高くなります

破産管財人とは、免責が妥当かどうかを調査して裁判所に意見したり、破産者の財産を本人に代わって管理、処分する法律の専門家のことです。

自分の意思で依頼する弁護士とは違って、破産管財人は破産者が自由に選択できません。
裁判所が必要と判断すれば、必ず破産管財人が選定され、管財事件として扱われます。

発生する費用

2回目の自己破産では、管財事件として破産管財人が介入する可能性が高くなるので、その分費用がかかることになります。

簡易的な少額管財事件の場合、破産手続きにかかる費用は最低でも約56万円、通常管財事件の場合は約80万円かかります。

少額管財の場合のおおよその内訳は、

  • 裁判所費用(予納金、官報公告費等) 約23万円
  • 弁護士費用(着手金、成功報酬等) 約33万円

となります。

少額管財事件のときの予納金約20万円、通常管財事件の予納金は約50万円で、個人や小規模事業者の場合はほとんどが少額管財で申し立てています

時間や手間がかかる

管財事件として扱われると、金銭面だけではなく労力面でも負担が増します。

破産者は、破産管財人の調査に全面的に協力することが義務づけられています。
破産管財人の調査に協力しないと、場合によっては法的な処置を講じられる可能性もあるのです。

また、裁判官との面談(破産審尋)が開かれることも多くなります。
破産審尋では、自己破産をした理由などについて裁判官から厳しく問われることになるでしょう。

2回目の自己破産ができないときの対処法

「2回目の自己破産は条件が厳しそう」
「2回目の自己破産ができなかったらどうしよう」

そうお悩みの方もいるかもしれません。

免責が認められそうにない場合は、いくつかの対処法が考えられます。
どうしたらいいのか、詳しくご説明します。

前回から7年間経過していないとき

前回の自己破産から7年間が経過していないかぎり、2回目の免責は原則として認められません。

とはいっても、
「借金が膨れてしまって、とても7年の経過まで待てる状況ではない」 という人も多いでしょう。

その場合、弁護士に受任通知を出してもらって任意整理や個人再生などの他の手段を検討するという方法があります。
弁護士からの受任通知が債権者に届くと、債権者は債務者に借金の取り立てや催促が出来なくなります。
一時的な措置ではありますが、精神的な負担の軽減にはなるでしょう。

ただし、取り立てや催促の停止は貸金業者や債権回収業者以外には適用されません。

取り立てを止めるためだけの受任通知にはリスクもある

自己破産の手続きが可能になるまでの期間中に、取り立てを止めるためだけに受任通知を送付してもらうと、債権者を「自己破産される前に回収しよう」という方向に動かしてしまうリスクもあるので注意が必要です。

貸金業者等にも、裁判所を通した訴訟による回収は認められています。
訴訟を起こされた場合、裁判で戦うか、訴えのとおり返済するしかありません。

免責決定を受けられないとき

債務整理には、自己破産以外にも以下のような方法があります。

  • 任意整理
  • 特定調停
  • 個人再生

詳しく説明していきますので、ご自身の返済能力を考えて検討してみるといいでしょう。

任意整理

任意整理は比較的手続きが簡単な債務整理の方法です。
債権者との交渉によって、借金などの利息や遅延損害金などを免除することができます。
利息がなくなるので元本の支払いだけで済みます。
月々の返済額も減らせるので、その分の負担軽減が期待できます。

ただし、ほとんどの場合で元本が全額返済となります。
また、裁判所を通さずに直接債権者と交渉するやり方ですので、交渉内容によっては希望が通らない場合もあります。

特定調停

特定調停は、将来的に支払う利息を免除してもらい、月々の支払額を減らしてもらう手続きです。
裁判所の調停委員を介して行われるので、弁護士に依頼せずに進められるメリットがあります。

ただし、免除されるのは将来利息のみで、過去の未払利息や遅延損害金については支払い義務があります。
また、裁判所を通して調停内容が決定されるので、返済が遅れると債権者から給与や財産の差し押さえなどの強制執行をされてしまいます。

個人再生

個人再生は、裁判所を通して手続きを行い、借金の額に応じて債権者から一部免除してもらう制度です。
減額してもらった債務は、3~5年かけて分割して支払うことになります。

ただし、減額されるとはいえ一部の借金は返済する必要があります。
また、個人再生は裁判所を通して行われるため、手続きが複雑で膨大な資料が必要となります。
自分で手続きをするのは非常に難しいので、弁護士に依頼することをおすすめします。

困ったときは弁護士に相談しよう

債務整理をするためにはかなりの法律の知識が必要です。
2回目の自己破産ともなると前回以上に条件が厳しくなるので、適切に対処するためには債務整理の豊富な経験も求められます。

弁護士費用は発生しますが、借金問題で長く苦しむことを考えると、早期に適切な解決を図れるメリットがあります。

経済的に余裕がない方には、自治体の無料法律相談窓口や、国が弁護士費用を立て替えてくれるという制度もあります。
債務整理を専門に扱う弁護士事務所では分割払いに対応しているところもありますので、まずは一度相談してみましょう。

電話で無料相談
0120-786-175

借入減額診断

まとめ

自己破産は、2回目以降の申立ても可能です。


2回目の自己破産には、


  • 前回の自己破産から7年経過していること
  • 前回と同じ理由でないこと

が条件になります。


1回目の自己破産よりも費用や労力の負担が増しますし、裁判官の判断も厳しくなりがちです。
2回目の自己破産が難しい場合は、任意整理など他の債務整理も検討してみましょう。


いずれの場合でも、手続きには専門的な知識と豊富な経験が求められます。
自分ひとりで解決しようとはせずに、まずは債務整理を専門とする弁護士・司法書士に相談することをおすすめします。

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