2020.03.26更新

任意整理で減額できるのはいくら?減額対象の支払いとポイントを解説

任意整理をするとどのくらい減額できるのかな?
減額できないものもあるの?

任意整理を行うと、減額できる借金があります。
ただし、全ての借金が減額できるわけではありません。
具体的に何を減額できるのかは把握しておきたいところでしょう。

そこで、この記事では

  • 減額対象となる借金
  • 減額された返済のシミュレーション
  • うまく減額するためのポイント

などについてご説明します。

任意整理で減額できる支払い

任意整理とは、交渉によって借金の利息部分をなくして、借金の返済計画を原則3年~5年の分割払いに変更することです。

任意整理で減額できる3つの借金

任意整理で減額できるのは次の3つです。

経過利息:債権者へ最後に返済した最終取引日から、任意整理で合意が得られた和解成立日までに発生する利息
遅延損害金:借金の返済期日に支払いがされないことによる損害賠償金のこと
将来利息:任意整理の和解成立から、借金の完済予定日までに発生する利息

基本的に元本部分は減額することは出来ません
ですが、その借金に過払い金(金融業者などへ払い過ぎた利息)があれば、借金の元本も減額できます。

借金は一定の範囲でしか減額できない

任意整理は、交渉がうまくいったとしても、自己破産や個人再生のように借金の全額もしくは一部がナシになるというわけではありません
一定の範囲でしか借金を減額できないので、
任意整理をしたのに、思っていたよりも減らなかった
と感じる人もいるかもしれません。

また、減額対象の利息をすべてカットできるとは限りませんので、どの程度減額できるかは交渉によるところが大きいです。

しかし、交渉によって返済期間を延長することは可能です。
返済期間が延びれば、月々の返済負担額も減らせますので、ここも交渉では外せないポイントです。

いずれにしても、金融業者との和解が必要になりますので、トータルでどの程度減額できるかは交渉次第と言えるでしょう。

任意整理で減額できた事例

任意整理によって何をどのくらい減額できるのか、シミュレーションでご説明します。

事例1:利息をカットして返済総額を減額

カードローンや消費者金融を複数社利用しており、その返済額が合計200万円あります。(年利15%、リボ払いで毎月5万円返済)

弁護士に相談して任意整理を行った場合、負担額は次のように減らせる可能性があります。

任意整理前
返済総額=278万9900円
月々の返済額=50,000円
合計利息=78万9900円
返済期間=56ヵ月

任意整理後
返済総額=200万円
月々の返済額=33,000円
合計利息=0円
返済期間=60ヵ月

最終的な返済総額の利息分だけが減ることになりますので、かなりの減額効果が見込まれます。

事例2:返済期間を延ばして月々の返済額を減額

300万円の借金があった場合に、返済期間を延ばすことで毎月の返済額がどのくらい変わってくるかについても見てみましょう。

任意整理の返済期間は基本的に3~5年なので、月々の返済額は3~5年の期間内で生活にある程度の余裕を持ちながら負担できる額に抑える必要があります。

月々の返済額の違い
36回払い(3年)=約84,000円
48回払い(4年)=約62,500円
60回払い(5年)=約50,000円

3年と5年では約3万4000円以上の差があり、月々どの程度の支払が自分にあった負担額かがイメージしやすくなります。
支払い回数が延びたとしても、毎月の返済額が減ることで完済が見込めるのであれば、その返済プランは現実的なプランと言えるでしょう。

月々の返済額の決め方について興味のある方は「任意整理で月々の返済額はどう決める?見落とせない注意点とは?」で詳しく説明していますので、ご確認ください。

任意整理が向いている人

一般的に以下のような人であれば任意整理が向いているといえるでしょう。

バレずに借金問題を解決したい人

自己破産と違い、任意整理では官報(国が発行する機関紙)に載ることはありません。

任意整理を弁護士や司法書士などの専門家に依頼することで、債権者との交渉を任せることもできます。
窓口は専門家になるので、債権者から直接電話で連絡が入ったり、自宅に郵便物が届いたりといったリスクも回避できます。

保証人に迷惑をかけたくない人

任意整理の場合は保証人付の債務を外すことができます。
外した債務は任意整理しませんので、保証人への迷惑が生じることもありません。

安定収入があり返済し続ける意思がある人

任意整理後は、3~5年間という一定の返済期間が発生します。
無職の場合では返済ができない可能性が高いため、交渉相手が和解に応じませんので、任意整理をすることができません。

膨らみ続ける利息の支払から抜け出したい人

任意整理は、将来の利息をナシにして、借金の元本のみを返していく返済プランに変更できる手続きです。
ですから、
利息の支払だけが続いて苦しい
元本だけでもなんとか返済していきたい
という人にとっては任意整理が向いています。

忙しくて裁判所に行く時間がない人

任意整理は裁判所を介さずに手続きできるので、裁判所を通す自己破産や個人再生と比べて時間的な制約が少ないです。
裁判所は平日しか開いている日がありませんので、平日は忙しくて裁判所に行く時間が取れないといった人には向いているといえます。

任意整理が向いていない人

任意整理が向いていない人としては、次のような人があげられます。

安定した収入がない人

任意整理をすると、借金の利息や遅延損害金をナシにして、元本だけの返済にしてもらうことができます。
ですが、自己破産とは違って、返済がゼロになるわけではありません。

元本部分の返済は続けなければなりませんので、返済がきちんと継続できる人でなければ任意整理を行うことはできません

借金総額が高額な人

基本的に元本を減らせない任意整理は、元本は全額残ってしまいます。

もともとの借金が高額で、その元本を5年間かけて支払い続ける返済計画が現実的ではない人は、任意整理には向いていないと言えるでしょう。

取引期間が短い人

1回も返済せずに債務整理を行おうとする人は、交渉相手からは、最初から返済するつもりがなかったとみなされ、任意整理を行うことは難しくなります。

ただし、数回の支払いがあった後に資金繰りが厳しくなったなどの理由であれば、話し合いに応じてくれる可能性はあります。

交渉相手の和解条件が厳しい人

任意整理では、債権者と交渉をして、借金の返済額や返済方法を決定していきますが、中にはそういった話し合いに一切応じない姿勢を貫く業者もあります。
その場合は、そもそも交渉自体が進みませんので、任意整理を行うことは難しくなります。

債権者が担保を持っている人

債権者が何らかの担保を持っている場合、債権者は借金が返済されないとわかると、それを現金化して回収しようとします。

現金化すれば借金を回収できるのであれば、任意整理の交渉に応じる必要もなくなりますので、任意整理は難しくなります。

任意整理は交渉を有利に進めることが大切

任意整理の和解交渉でポイントになるのは次の2つです。

  • 借金をどの程度まで減額できるか
  • 借金はどのように返済していくのか

法律の知識が曖昧で、貸金業者の特性もわからない中では、交渉をスムーズに進めることも難しくなります。

無理のある返済計画で和解してしまっては、せっかく任意整理をしても、その後の生活の立て直しもうまくいかなくなってしまいます。

良い条件で和解するためには、債務整理の経験に長けた弁護士や司法書士などの専門家に任せる方が賢明です。

借金の返済をどの程度まで減額できるかが気になる一方で、専門家に依頼する費用がいくらかかるかも心配になることでしょう。

任意整理にかかる着手金の相場は3~5万円です。
その他には、相談料、報酬金や減額報酬などが発生します。

費用は分割払いに応じている事務所も増えていますので、事前に相談してみるといいでしょう。

まとめ

任意整理を行うと、


  • 経過利息
  • 遅延損害金
  • 将来利息

が削減できる可能性があります。


過払い金の計算を同時に行うので、該当すれば元本も減額することが可能です。
また、返済期間を延ばすことは、月々の返済額を減らすことにもつながります。


何をどの程度減額できるかは、相手会社との交渉次第です。
返済が難しい状態に陥っているのであれば、早めに弁護士や司法書士などの専門家への相談を検討するといいでしょう。

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