2020.03.19更新

任意整理で口座凍結は避けられない?事前対策と凍結後の対処法とは

口座の凍結って何?
具体的に何がどうなるの?

口座の凍結とは、振り込みや出金などの取引ができなくなることです。
そして、任意整理の結果、口座を凍結されることはあり得ます。

この記事は、

  • 口座を凍結されるのはどのようなケースなのか
  • 口座が凍結されることで生活に何か影響するのか
  • 口座凍結が心配なときはどう対処したらいいのか

などについて解説します。

口座凍結の対象になるケースとは?

口座の凍結とは、現金の引き出し、給料の振込み、公共料金等の自動引き落としなど、口座を使った取引が、入金以外はまったくできなくなることを言います。

一般的に、債務整理を行うことで口座が凍結されることはあります。

以下のようなケースはどうなるのか、具体的に説明します。

借り入れしていない銀行の口座

直接その銀行からお金を借りていない場合は、その口座は凍結されません

凍結される口座は、任意整理をした銀行にある同じ名義の口座です。
借り入れをしていない銀行の口座には任意整理は関係しないので、凍結されることもありません。

ただし、他の銀行で任意整理を行ったという情報はすべての金融機関で共有されています

任意整理の対象にない銀行口座

任意整理の対象になっていない口座は、原則として凍結されません
ただし、前のケースと同様で、他の銀行で任意整理を行ったという情報は全ての金融機関で共有されます。

他の銀行で任意整理を行ったことを理由に口座を凍結されることはありませんが、今後クレジットカードを作る際などの審査には影響が出る可能性があります

銀行カードローンが任意整理の対象で、その同じ銀行の口座

任意整理の対象となる銀行カードローンがある場合、同じ銀行の口座についても凍結される可能性があります。

消費者金融だけを任意整理したとき、借り入れをしている同系列の銀行口座

銀行カードローンで借金をしていて、同じグループ系列の消費者金融にも借金があるとき、消費者金融からの借金のみを任意整理の対象にしても、銀行口座は凍結される可能性があります

銀行カードローンは、グループ系列の消費者金融が保証会社になっていることが多いです。
保証会社は銀行に代わって審査する役割もあるので、保証会社である消費者金融だけを任意整理したとしても、銀行口座が凍結される可能性が出てくるのです。

例えば、アコムは三菱UFJフィナンシャル・グループの系列企業であり、アコムは三菱UFJ銀行カードローンの保証会社でもあります。

銀行・同系列の消費者金融が関係する口座凍結の具体例

銀行と同じグループ系列の消費者金融が関係すると、わかりにくく感じる方もいるかもしれませんので、ここで例を出して解説します。

例えば、消費者金融A社はB銀行の系列企業とします。

B銀行から借り入れをしている人が、系列企業の消費者金融A社のみを任意整理する場合、B銀行の口座は凍結される可能性があります

B銀行から借り入れがなく、消費者金融A社を任意整理する場合は、B銀行の口座は凍結されません

例え系列企業であっても会社としては別組織です。

別会社A社の借金を、仮に親会社だったとしても系列であるB銀行の顧客資産で相殺することは禁じられています。

任意整理対象の銀行で、支店の違う口座

任意整理の対象にしている銀行ではあるけど、支店が別の口座の場合、支店の口座も凍結されます。
任意整理対象と同じ銀行で名義も同じ口座であれば、凍結されます。

名義は同じでも、銀行が異なる口座であれば、凍結されません。

具体的に説明すると次のようになります。

【凍結される例】
三井住友銀行横浜支店の口座を持っており、それを返済に使っていなかったとしても、三井住友銀行本店の口座を返済用に使っていたとした場合、横浜支店の口座についても凍結されます。

【凍結されない例】
三井住友銀行横浜支店の口座を返済用に使っていたとしても、三菱UFJ銀行の横浜支店の口座が凍結されることはありません。

口座凍結のリスクと凍結の期間

口座が凍結されると何ができなくものなのか、気になるところでしょう。
詳しく説明します。

口座凍結後にできなくなること

口座の凍結期間中は、給与の引き出しや公共料金の引き落とし等、入金を除くすべての取引ができなくなります。

任意整理を検討している口座を、借金返済以外に、給与の振込みや公共料金の自動引き落としなどで日常的に使用している場合は、対策を考える必要が出てきます

なお、口座凍結後は、ATMでキャッシュカードの利用もできません。

凍結後の入金を借金と相殺するのは違法

借金の相殺は、銀行口座が凍結された時点の預金残高から行われるもので、口座の凍結後の入金分で相殺することは禁じられています。

銀行は、保証会社に借入残高を請求して回収していくことになります。

凍結後の入金は相殺されないとは言え、引き出しはできません。
凍結された口座には新たな入金が発生しないように対策を取っておきましょう。

口座凍結の期間は3ヵ月

口座凍結の期間は、一般的に約3カ月と言われています

口座凍結が開始されるのは、弁護士や司法書士が銀行に受任通知(任意整理開始を知らせる書類)を送ったときです。

口座凍結が終わるのは、保証会社が銀行に返済(代位弁済)を終えたときです。

銀行によっては強制解約もあり得る

銀行によっては、契約内容に「返済が不可能になった場合、保証協会に借金が移され、それと同時に銀行口座は強制解約される」と書かれている場合があります。
この契約内容に口座凍結が当てはまると見なされれば強制解約となります

口座凍結される前にできる対処法

ここからは、口座凍結に備えて事前に準備すべきことを説明します。

残高は全額引き出しておく

口座が凍結されると、口座の残高は借金の相殺対象になります。
当面の生活費を口座から用意することはできなくなりますので、残高は全額引き出すようにしましょう。

借金返済に使っている口座だけではなく、その銀行にある全ての口座の預金を引き出しておくことが重要です。

給与振込口座を変更する

口座が凍結されると一切の振込みができなくなるので、給与の振込も行えなくなります。
給与振込先の口座はすみやかに変更しておきましょう。

自動引き落としは別の口座に変更する

光熱費や携帯電話料金などの支払いを口座振替にしている場合は、料金の引き落としができなくなります。

引き落としができないと滞納扱いとなるので、延滞金の発生が懸念されます。 凍結されない他行の口座に変更するか、振り込み用紙による現金払いなどに変更しておきましょう。

口座が凍結されてもできる対処法

ここまで、口座が凍結される前に行う対処法について述べてきましたが、口座が凍結された後でもできることはあります。

別の銀行に新規の口座開設はできる

任意整理中であっても、任意整理対象外の銀行口座は作ることができます
ネット銀行なども、整理対象となっていなければ口座開設は可能です。

なお、任意整理の期間中に整理対象と同じ銀行の口座は作れませんが、任意整理後であれば、同じ銀行でも口座を作れます。

給与振り込みを現金払いに変更する

現在では、給与については振り込み扱いを取っている会社が殆どでしょう。
しかし、実は法律上は「給与の支払いは原則として現金」(労働基準法第24条)と決まっています。

勤務先に現金払いに変更できるかどうか交渉してみましょう。
会社の規模や事情にもよりますが、対応してくれる可能性があります。

口座に振り込まれた給料を取り戻せることも

基本的に、凍結された口座に給料を振り込むことは出来ませんが、交渉の進め方次第では、凍結中の口座に振り込まれた給与を受け取れる場合もあります。

対象は給与のみで、受け取りは銀行窓口で行うなどの条件が付くのが一般的で、交渉が伴うので、弁護士などの専門家に相談をしてみるのも1つの方法です。

自動引き落としは振り込みに変更する

自動引き落とし口座の変更には、手間がかかるものです。
口座凍結後に他の銀行口座に変更することはできますが、より速やかな方法としては、振り込み用紙による現金払いに変更する方が良いでしょう。

まずは専門家に相談をしよう

銀行の借金を任意整理する際は、弁護士や司法書士などの専門家に相談することをおすすめします。

専門家に相談することで、口座凍結前はもちろんのこと、口座凍結後の対処方についても適切なアドバイスをもらうことができます。
複雑な交渉も進めやすくなりますので、検討してみるといいでしょう。

まとめ

口座凍結されてしまうと、


  • 入金以外の一切の取引
  • 給与の振り込み
  • 光熱費や携帯電話料金等の引き落とし

などができなくなりますので、私生活への影響は大きいでしょう。


任意整理を検討するときは、口座凍結をされても支障がないように対策をとってから行うのが理想的です。


弁護士や司法書士などの専門家に相談をすると、口座の問題も含めたアドバイスももらえます。
任意整理をお考えで口座凍結が心配なときには、専門家にきちんと相談することをおすすめします。

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