任意整理は、デメリットよりもメリットの方が多い手続きです。
将来利息をカットした後の元本を3年~5年で返済できる見込みがあれば、任意整理を検討してみるといいでしょう。
任意整理の1番の大きなデメリットとして、完済から3~5年間はクレジットカードの利用ができなくなりますが、デビットカードやバーコード決済を利用することで生活上、不便を感じることは少ないでしょう。
この記事では、任意整理のデメリットや対応策と共に、任意整理すべき基準や手続きについても解説しています。
任意整理のデメリットとよく誤解されるデメリット
任意整理のデメリットと対応策
任意整理のデメリットは次の4つです。
ですがこのデメリットは、考え方次第でメリットに変えることができます。
詳しく説明しますので、是非おさえておきましょう。
- 信用情報機関(ブラックリスト)への登録
任意整理のデメリットに、信用情報機関への登録があります。
いわゆるブラックリストと呼ばれるものです。
任意整理すると事故情報が登録されるため、その後、完済から5年間はクレジットカードや各種ローン、消費者金融の審査に通りづらくなります。
携帯電話本体の分割購入の審査に通らないこともあります。
しかし、借金を滞納したり、自己破産、個人再生しても事故情報として登録されますので、信用情報機関への登録は任意整理に限ったことではありません。
信用情報機関に登録された借り入れができなくなる期間を「借金なしで生活するトレーニング」と考えれば、メリットと捉えることもできるでしょう。
- 元本を大きく減らすことは難しい
任意整理しても、元本を大きく減らせるわけではありません。
任意整理に期待できる効果は、将来利息と遅延損害金のカット、残った元本の分割払い(3年~5年)です。
平成19年以前からクレカキャッシングや消費者金融を利用していれば、過払い金を取り戻せる可能性もありますが、最近の借金には該当しません。
元本を大きく減らすには個人再生という方法がありますし、自己破産という手続き後に免責を受ければ、借金の返済義務が免除されます。
しかし個人再生や自己破産は「家族に秘密にしづらい」「整理先を選べない」「官報に載る」「財産を手元に残せない」などのデメリットがあります。
任意整理には、そのようなデメリットはありません。
家族に知られにくく、財産を残せる手続きなので、任意整理後も生活がしやすい、というメリットがあります。
- 借金返済を続けていく収入が必要
任意整理は自己破産のように借金が帳消しになる手続きではありません。
そのため、任意整理後も、利息カットされた元本の返済が継続的に求められます。
返済を続けるには、安定的な収入が必要という条件が伴う一方で、任意整理特有の和解交渉によって、返済が苦しくならないように計画を立て直すことも出来ます。
また、任意整理は収入の範囲内の分割払いが基本ですが、収入の範囲内で返済できない場合は、専門家に相談することでさらに適した解決方法を探れます。
- 交渉に応じてもらえない可能性がある
自己破産や個人再生は裁判所が関与する法的な手続きですが、任意整理は裁判所をはさまない任意の交渉なので、相手に対する強制力はありません。
ですが、任意整理は裁判外の手続きなので強制力がありません。
そのため、銀行、信販会社、消費者金融のような借入れ先の合意がなければ、任意整理による和解は出来ません。
大半の借入れ先が任意整理に応じてもらえるようですが、和解がまとまらない業者もあるでしょう。
そうなると、任意整理を諦めざるを得ない、という状況も考えられます。
借入先が交渉に応じないという状況を避けるには、弁護士や司法書士のような専門家を頼ることです。
実績豊富な専門家であれば、銀行、信販会社、消費者金融ごとに「任意整理しやすい業者かどうか?」の情報を持っていますので、適切なアドバイスを受けられます。
任意整理でよくある誤解|Q&A
任意整理にはよくある誤解があります。
次のような疑問はすべて誤解なので、心配することはありません。
任意整理は一定の事情があれば整理先を選べるので、保証人付きの借金を外すことができます。 そうすれば保証人に請求がいかないので、迷惑は掛かりません。
車のローンを任意整理の対象にすると、車の所有権がローン会社にあるため、車は引き上げられてしまいます。 しかし自動車ローンを任意整理に含めなければ、問題なく車を手元に残せます。
任意整理しても、会社や家族に知られる可能性は低いです。 弁護士や司法書士に依頼すれば、その後の交渉の窓口になってもらえますし、弁護士や司法書士にも周囲に知られないように最大限の配慮をしてくれます。
弁護士や司法書士にとの連絡方法にさえ気を付ければ、周囲に知られる可能性は低いでしょう。
任意整理しても戸籍には載らないので安心して下さい。
任意整理はメリットの方が大きい
任意整理はメリットの方が大きい手続きです。 主なメリットとして8つ解説します。
- 金融会社からの催促が止まる
弁護士や司法書士に任意整理を依頼すると、受任通知が借入れ先(金融会社)に送られます。受任通知の到着をきっかけに催促・督促がストップしますので、取り立ての電話から解放されます
- 将来利息、遅延損害が免除される
任意整理すると、将来利息と遅延損害金が免除される可能性があります。リボ払いで元本が減らなかった場合でも、将来利息がカットになれば、借金が減りやすい状況になるでしょう。
- 分割払い3年~5年で計画
任意整理により、月々の負担を無理のない範囲で計画立てて3年~5年(36回~60回)の分割払いで返済できます。
- 職業制限がない
自己破産には一定の職業制限がありますが、任意整理には制限がまったくありません。そのため、任意整理したからといって就けない職業はありません。
- 財産を手放す必要がない
任意整理しても財産を手放す必要はありません。 20万円以上の預貯金が没収される自己破産とは違います。
- 家族や会社に知られるリスクが低い
家族や会社に知られるリスクが低いのも任意整理の特徴です。
弁護士・司法書士事務所が交渉の窓口になってくれることに加え、官報(国が発行している機関紙)に住所、氏名が掲載されないからです。
自己破産、個人再生は官報に載るので、家族に知られるリスクがあります。
- 手続きが簡単
任意整理は裁判外の手続きで、必要な書類も少ないです。自己破産や個人再生と比べて手続きが簡単です。弁護士や司法書士に任せれば、代わって手続きしてもらえることが多いです。
- 一部の債権者だけ選んで整理できる
債権者を選んで整理できるので、手放したくない財産を手元に残すことができます。保証人に迷惑をかける心配もありません。
自己破産は整理先を選べないため、ローン付きの車や住宅は没収されます。
個人再生はマイホームを残せる可能性がありますが、基本的に車は没収されます。
このように、任意整理はデメリットよりもメリットの方が大きい手続きなので、まずは検討してみるといいでしょう。
任意整理をした方がいい基準と手続きの流れ
ここまでで、任意整理はメリットが大きいことがおわかりいただけたと思います。
とは言っても
「任意整理って、誰でもできるわけじゃないでしょ?」
「どんなケースだと向いているの?」
と疑問をお持ちの方もいることでしょう。
任意整理をした方がいい基準
任意整理をした方がいい基準として、以下の3つがあります。
- 借金が年収の3分の1以上
任意整理の目安として、借金が年収の3分の1以上、という基準があります。
例えば年収300万円の場合、判断基準になる借金は、年収の3分の1の100万円以上となります。
- 収入だけでは足りず借金している
現在の収入だけでは足りずに借金している場合も、任意整理の目安になります。
収入だけで生活できなければジワジワ借金は増えますから、完全に返せなくなる前に任意整理を検討するといいでしょう。
- 借金の返済額を借金して返している
借金の返済額を借金して返している状態、つまり借金で借金を回している状態は、すでに家計が破綻している可能性があります。
その場合は個人再生、自己破産と共に、まずは任意整理を検討する必要があるでしょう。
任意整理ができる条件
任意整理ができる条件として、
- 3~5年間で完済できるだけの収入の見込み
- 3~5年間かけて返済し続ける意思
が必要です。
任意整理を専門家に相談した方がいい理由
任意整理を専門家に相談した方がいい理由として、以下の4点があります。
- 煩雑な手続きには専門的知識が必要
自己破産と比較すれば任意整理は手続きが簡単ですが、それでも法律の素人が手間を感じずにできるほど生易しい手続きではありません。
専門的な知識はもちろん、交渉テクニック、駆け引きが大切なので、弁護士や司法書士などの専門家に相談しましょう。
- 受任通知で取り立てを止められる
弁護士や司法書士に任意整理を依頼すると、交渉相手に対して、受任通知を送ってもらえます。
受任通知とは、弁護士や司法書士などが代理人として手続きを行うことを知らせる書類です。
受任通知が届いた後は、交渉相手からの連絡は代理人事務所に行くことになり、交渉相手の取り立てはストップします。
- 最適なプランを一緒に考えられる
生活に負担のないプランを考えてもらえることが挙げられます。
どのくらいの期間をかけて、月々いくら返済できるのか。
専門家に相談すれば、これらを客観的に判断してもらえます。
- 分割支払が可能な事務所もある
任意整理の費用は弁護士や司法書士によって異なりますが、相場感としては、債権者1社につき5〜15万円です。
分割支払が可能な事務所もあるので相談してみるといいでしょう。
任意整理の手続きの流れ
弁護士や司法書士に依頼した任意整理のおおまかな流れです。
Step6
和解締結
委任契約から契約締結まで、2ヵ月~3ヵ月が相場です。
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