【独自取材】借金2000万円からの再出発!夫の浪費で自己破産した方の体験談
「まさか自分が自己破産するなんて、考えられませんでした…」
そう語りだすのは、北海道で看護師として働くMさんです。
彼女が経験したのは自身の浪費ではなく、信頼していた配偶者によって積み上げられた総額2,000万円という巨額の借金です。
4人のお子さんを抱え、絶望の淵に立たされた彼女が、どのようにしてその困難を乗り越え、現在はどのような心境で生活を送っているのか。
借金2,000万円を解決するまでの道のりを、当メディアで赤裸々に語ってくれました。
この記事の趣旨
この記事は、実際に借金を抱えて債務整理をした方へのインタビューを通じ、手続きの過程やその後の生活を浮き彫りにするものです。
借金の背景や債務整理のデメリットについても触れることで、債務整理を多角的に理解していただくことを目的としています。特定の手続きを推奨したり、成果を保証するものではありません。
※当事務所で受任した案件ではありません
| 家族構成: | 夫(離婚)・子供4人 |
|---|---|
| 職業: | 看護師 |
| 年収: | 約500万円 |
| 借金の原因: | 住宅・自動車ローン・夫のクレカ利用など |
| 借金総額: | 約2,000万円 |
※この記事は弁護士法人・響のPRを含みます。
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無職の夫が無断借金。気づいた時には借金が2000万円に
Mさんの苦難の始まりは、約16年前にさかのぼります。
元夫は結婚生活のほとんどの期間、定職に就いていませんでした。家事も育児もせず、収入もない。そんな夫を支えていたのは、看護師としてフルタイムで働くMさんの収入でした。
「夫は当時仕事をしていなかったので、当然ながら自分名義でローンを組むことができません。でも、車を買い替えたい、家が欲しいと言い出すんです」
と、当時を振り返るMさん。
看護師として一定の収入があったMさんは、夫の要求に応じて住宅ローンや4台にも及ぶ新車のオートローンを、すべて自身の名義で契約してしまったのです。
もちろん支払いの責任はすべて名義人であるMさんに発生します。さらに悲劇だったのは、元夫が彼女名義のクレジットカードを使い込んでいたことでした。
「彼は家にいたので、カード会社からの督促状を私が見る前に隠していたんです。その後離婚を決意し、家の中を整理していたら、山のような督促状が出てきました。
その中には、法的措置を予告する弁護士事務所からの封書もありました」
と、Mさんは当時の苦悩を語ります。
住宅ローンとオートローン、さらには複数のカードローンの債務額は、元金だけで約1,000万円超。利息を含めた総額は、2,000万円を超えていたのです。
弁護士へ相談し「自己破産」を宣告される
「何とかして夫に責任を取らせることはできないか」と、Mさんはバス車内の広告で見かけた地元の弁護士事務所に駆け込んだといいます。
状況を詳しく弁護士に話たところ「婚姻期間中の借金であり、しかも私自身の名義で契約している以上、法的に支払い義務があるのは私。夫は無職で資産もないので、彼から回収することも不可能だと言われました」。
「任意整理も検討しましたが、2,000万円という金額は、私の給与で子供4人を育てながら返せる額ではありませんでした」
と、Mさんは続けます。
そして弁護士が出した結論は「自己破産しかない…」。
自己破産とは?
裁判所から免責を得ることで、税金などの一部を除いたすべての借金をゼロにする手続きです。
しかしその代償として、持ち家や車などの資産はすべて手放さなければなりません。
費用は法テラスを活用して分割払いに
経済的に追い詰められていたMさんにとって、弁護士費用を捻出することも困難でした。そこで利用したのが、「法テラス(日本司法支援センター)」の費用立替制度です。
「法テラス経由で、費用を月々4~5,000円程度の分割払いにしてもらいました。この支払いは、つい最近終わったんです」
途中、持病の悪化で生活保護を受けていた数ヶ月間は支払いを猶予してもらいましたが、仕事に復帰してからは欠かさず払い続けました。
「借金をゼロにしてもらう以上、この費用だけは自分の手できちんと払いたかったんです」と、Mさんは語気強く語ってくれました。
破産管財人との面談は免責を得るための試練
自己破産の手続きにおいて、Mさんのように債務額が大きい場合や、借金の原因を詳しく調査する必要がある場合は「管財事件」として扱われます。
ここで彼女を待っていたのが「破産管財人」との面談でした。
破産管財人とは?
裁判所が選任する、中立な立場の弁護士です。借金の理由に問題がないか、隠している財産はないかなどを調査し「免責にしてよいか」を判断する材料を裁判所に報告します。
この面談は、Mさんにとって辛い時間となりました。
「管財人の先生は、非常に厳格な方でした。
『夫が使い込んだと言うけれど、名義人はあなた。管理責任があるのではないか』
『あなた自身も、生活の中で贅沢をしていた時期があったのではないか』
と、鋭い追及を受けました」
ただ、この厳しさは「公平性」を保つためのものです。借金を帳消しにするということは、お金を貸していた側(債権者)が損失を被るということです。
破産管財人は債権者の利益を守る立場でもあるため、徹底した調査が行われるのです。
Mさんは、ブランド品の財布一つ持っていない質素な生活実態をありのままに伝え、ようやく「免責」へと近づいていきました。
※編集部注:破産管財人には様々な弁護士がいるため、必ずしもこのような対応とは限りません。
財産の処分と子供たちを守るための嘘
自己破産の手続きが進む中で、愛着のあったマイホームは競売にかけられることになりました。
「一番辛かったのは、子供たちの環境を変えてしまうことでした。でも、差し押さえの紙が貼られたり、近所で噂になったりすることだけは避けたかった。
そこで手続きが本格化する前に、弁護士さんと相談して『お母さんの仕事の都合で引っ越すのよ』と子供たちに話し、都市部へと移り住みました」
と、Mさんは辛かった心情を吐露します。
近所の人たちにも事情は伏せ、ごく普通の引っ越しを装ったことで、子供たちは学校で肩身の狭い思いをすることなく、新しい生活を始めることができたそうです。
「家の中にあるものは、生活に最低限必要な家電などを除いて処分されました。とはいえ、差し押さえに来た方に『何もないんですね』と驚かれるほど、わが家には資産価値のあるものが残っていませんでした」
と、手続き中の状況を振り返ります。
自己破産後はブラックリストの影響も
手続きから10年以上が経過した現在、Mさんは看護師として自立した生活を送っています。
しかし自己破産は、Mさんの生活に以下のような爪痕を残しました。
●クレジットカードが作れない
一般的に、自己破産の情報は信用情報機関に5年〜7年登録(いわゆるブラックリスト)されます。
そのためMさんも、自己破産後はしばらくの間はクレジットカードの審査に通りませんでした。
「しばらくしたらAmazonの審査に通り、限度額10万円のカードを作ることができました。それまでは、デビットカードやプリペイド式の決済で過ごしました」と、Mさんは当時を振り返ります。
●スマホの分割払いができない
「スマートフォンの機種変更をする際、分割払いの審査に落ちてしまいました。だから本体代金を一括で支払える安いモデルを選ばざるを得ませんでした」
●子供の奨学金の保証人になれない
Mさんが最も胸を痛めたのが、子供たちの進学時でした。
「日本学生支援機構の奨学金を借りる際、親である私は保証人になれませんでした。そのため事情を知っている兄弟に保証人をお願いすることになりました。子供たちには申し訳ない気持ちです」と顔をしかめます。
ブラックリストについては以下の記事で詳しく解説しています。
「あのとき自己破産をしてよかった」と思える日々
Mさんはまだ4人の育児に奮闘する日々ですが、「あのとき自己破産をしてよかった」と断言します。
「もしあのまま2,000万円の借金を抱え続けていたら、私は今、ここにはいなかったかもしれません。借金は、人の心をじわじわと蝕んでいきます」
「自己破産をしたことで、経済的な重荷からは解放され、子供4人を無事に育て上げることができました」と、笑顔を見せてくれました。
Mさんの言葉は、借金問題で暗闇の中にいる多くの人にとって、一筋の光となるはずです。
借金2,000万円という絶望的な金額を乗り越えて、Mさんは今日もたくましく生きています。
自己破産は、ただ「辛いこと」ではなく「再スタートの第一歩」となったといえるでしょう。
自己破産は「絶望」ではなく「希望」
Mさんの体験から私たちが学ぶべきことは、早めの相談がいかに重要かということです。
家族の借金でも早めに対処を
配偶者の借金であっても、契約の名義がご自身であれば逃げられません。隠し事や督促状に気づいたら、できるだけ早く専門家に相談してください。
自己破産を恐れない
管財人との面談は厳しい場合もありますが、それは「正当に再出発する」ための手続きです。嘘をつかず、誠実に対応すれば恐れることはありません。
法テラスを頼る
「弁護士費用がないから相談できない」というのは誤解です。法テラスの立替制度を使えば、費用が準備できなくても弁護士に依頼することができます。
人生は終わらない
自己破産後は、クレジットカードが作れないなどの制約はありますが、それは、借金をしない健全な家計を作るチャンスでもあります。
多額の借金があっても、自己破産によって健全に再出発することが可能です。「借金でどうにもならない」とお悩みなら、弁護士・司法書士に相談してみませんか。
※インタビュー日:2025年12月5日
※当事務所で受任した案件ではありません。また個人の見解も含むため内容を保証するものではありません。
自己破産については以下の記事で詳しく解説しています。
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