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「個人再生すると退職金はどうなる?」
「自己破産のように、差し押さえられてしまうのかな?」
個人再生する場合、退職金は全額または一部が保有している財産として、「清算価値」に計上されます。
自己破産のように差し押さえをされることはありませんが、清算価値が高くなるほど個人再生後に返済する金額が上がるリスクがあります。
この記事では個人再生する場合の退職金の取り扱いをはじめ、必要書類や会社に知られたくない場合の対処法などを紹介します。
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個人再生について詳しく知りたい方はこちらの記事へ
個人再生のメリット・デメリットとは?自己破産、任意整理との違い
個人再生をすると将来もらう予定の退職金は財産として「清算価値」に計上されますが、処分されたり差し押さえられたりすることはありません。
では、「清算価値」とはどういうものなのでしょうか。以下で詳しく解説します。
「清算価値」とは、一定額以上の価値のある財産や権利を売却した場合に得られる金額のことです。
ここでは「今、破産手続きが開始されたらお金を貸した人(債権者)が受けられる配当の額」といった意味合いとなります。
なお、清算価値として算定されるのは、再生計画認可時に財産を処分した場合の価格です(民事再生法236条)。
清算価値として計上される財産例
※裁判所により異なる
個人再生には、「今もっている財産の価値以上の金額を返済しなければならない」というルールがあります。
これを「清算価値保障原則」といいます。
自己破産をするよりも個人再生をするほうが返済を受けられる金額が減ってしまうのでは、債権者にとって個人再生を受け入れる意味がなくなるからです。
個人再生には法律により最低弁済基準額が定められていますが、「清算価値」が上回る場合は清算価値が返済額となります。
最低弁済基準額 | |
---|---|
借金総額 | 最低弁済額 |
100万円未満 | 全額 |
100万円~500万円未満 | 100万円 |
500万円~1500万円未満 | 借金総額の5分の1 |
1500万円~3000万円未満 | 300万円 |
3000万円~5000万円未満 | 借金総額の10分の1 |
したがって、清算価値が高額になれば、個人再生による借金減額が少なくなる、または全く受けられないおそれがあります。
退職金は再生計画の認可決定時を基準に清算価値として算定されますが、その割合は退職時期により異なります。
退職金のうち清算価値として計上される割合 | |
---|---|
ケース | 清算価値に計上される割合 |
1 退職予定がない場合 | 退職金見込額の8分の1とする裁判所が多い |
2 退職したが退職金をまだ受け取っていない/近い将来退職する場合 | 退職金の4分の1 |
3 すでに退職し、退職金を受け取っている場合 | 全額(現金または預貯金となる) |
退職金見込額の8分の1を財産として清算価値に計上すればよいとする裁判所が多いです。
退職金が実際に発生するかどうかが不確実のため、従来(4分の1)の半分という取扱いになっているのです。
なかでも東京地方裁判所は、計算された8分の1の相当額が20万円以下になった場合は清算価値に含めない運用をしています。
つまり、退職金見込額が160万円以下であれば、清算価値に含めなくてよいということです。
近いうちに退職金を受け取る場合は、退職金額の4分の1を財産として清算価値に計上します。
4分の1でよいのは、残る4分の3が差押禁止債権となっているためです(民事執行法152条)。
民事執行法 第152条 次に掲げる債権については、その支払期に受けるべき給付の四分の三に相当する部分(その額が標準的な世帯の必要生計費を勘案して政令で定める額を超えるときは、政令で定める額に相当する部分)は、差し押さえてはならない。
一 債務者が国及び地方公共団体以外の者から生計を維持するために支給を受ける継続的給付に係る債権
二 給料、賃金、俸給、退職年金及び賞与並びにこれらの性質を有する給与に係る債権
2 退職手当及びその性質を有する給与に係る債権については、その給付の四分の三に相当する部分は、差し押さえてはならない。
3 債権者が前条第一項各号に掲げる義務に係る金銭債権(金銭の支払を目的とする債権をいう。以下同じ。)を請求する場合における前二項の規定の適用については、前二項中「四分の三」とあるのは、「二分の一」とする。
すでに退職金を受け取っている場合は、全額を現金または預貯金として計上します。
個人再生をしたからといって退職金が減ることはありませんが、一方で保有する財産として計上しなくてはなりません。
財産として計上される金額が増すほど借金の減額幅が小さくなり、結果として個人再生後の返済額が多くなるリスクがあります。
そのため、できるだけ清算価値に計上される金額を抑え、個人再生後の返済額を少しでも下げたい場合は、個人再生手続きの「再生計画の認可決定」以降に退職金を受け取った方がよいといえます。
個人再生の手続き開始から再生計画の認可決定まではおよそ6ヶ月かかるので、勤務先からの退職を考えている場合は弁護士や司法書士に相談の上、タイミングを検討したほうがよいでしょう。
とくに公務員の場合は民間企業よりも退職金が高額になることが多く、退職金によって返済額が上がってしまって不利になることがあるので要注意です。
個人再生手続きについては、以下の記事でさらに詳しく解説しています。
「個人再生手続きとは?条件から手続きの流れ、期間・費用まで解説」
個人再生をする際の必要書類の中に「退職金見込額証明書」があります。
退職金見込額証明書とは、今退職した場合に退職金がいくら出るのかを勤務先が証明するもので、通常は勤務先に依頼して発行してもらうことになります。
以下、この証明書について、いくつかの気になるポイントを解説していきます。
勤続5年未満であっても、退職金見込額証明書が必要となる可能性は高いです。
退職金が出る会社であれば、退職者は誰でも退職金をもらえるわけではなく、一般的には勤続年数が5年以上の場合にもらえるケースが多いとされます。
したがって退職金見込額証明書も勤続年数が5年以上の場合に必要といわれています。
しかし、東京都の調査(※)では退職金を受給するための最低勤続年数を3年とする企業が最も多く、勤続年数5年未満でも退職金を受け取れる場合は、退職金見込額証明書が必要になると考えられます。
もし、勤続年数の関係で退職金がない場合には、それを証明する資料の提出を求められる可能性があります。
※東京都労働相談情報センター「中小企業の賃金・退職金事情(平成30年版)」
退職金見込額証明書は勤務先に発行してもらわなくてはなりませんが、発行依頼をするときに個人再生を行うことを勤務先に知られてしまう可能性があります。
知られたくない場合は、以下のような方法で対処することが考えられます。
「住宅ローンの申請のために必要」などと言えば、不審に思われることはあまり多くないでしょう。
退職金がある会社の場合、退職金額の計算方法は就業規則などに規定されています。
退職金規定をもとに退職金見込額を算出し、計算結果と就業規則等のコピーを裁判所に提出すれば、会社に証明書の発行を依頼しなくてもOKなケースもあります。
退職金の算出方法は勤務先により異なりますが、「退職時の基本給×勤続年数×一定の支給率」といった計算式から算出します。
就業規則の作成・届出義務のある会社であれば、就業規則は従業員なら誰でも閲覧できる状態にしておく義務があります。
もし、就業規則を見せてもらえない場合は労基法違反となりますので、労働基準監督署に相談することは有効です。
ただし、労働基準監督署に行けばすぐに見えてもらえるというものではなく、原則として会社で閲覧することになります。
また、勤続年数や社内の資格等級などによる「ポイント制」の退職金制度を採用している企業もあります。
ポイント制の場合、退職金の残高が定期的に通知されていることもありますので、勤務先から受け取った通知書を確認しましょう。
退職金制度がない場合は、退職金制度がないことを確認できる就業規則などの資料を裁判所に提出します。
既存の資料で証明できない場合は、退職金制度がないことを示す証明書を勤務先に作成してもらう必要が生じることもあり得ます。
近年は退職金代わりに確定拠出年金を採用している企業も多くありますが、確定拠出年金の場合は全額が差押禁止債権のため、個人再生する場合も清算価値には計上しません(確定拠出年金法32条)。
確定拠出年金法 第32条
給付を受ける権利は、譲り渡し、担保に供し、又は差し押さえることができない。ただし、老齢給付金及び死亡一時金を受ける権利を国税滞納処分(その例による処分を含む。)により差し押さえる場合は、この限りでない。
2 租税その他の公課は、障害給付金として支給を受けた金銭を標準として、課することができない。
そのほか、以下の資金も法律によって保護されているので、清算価値に計上しなくてよいとされています。
ただし、すでに受け取り済みの場合は、現金・預貯金として清算価値に加えられます。
退職金扱いにならない資金の例
勤務先からの借り入れがある場合、原則として給与や退職金との相殺(退職金を担保にすること)は禁止されています(労働基準法24条)。
これを「賃金全額払いの原則」と呼んでいます。
労働基準法 第24条
賃金は、通貨で、直接労働者に、その全額を支払わなければならない。ただし、法令若しくは労働協約に別段の定めがある場合又は厚生労働省令で定める賃金について確実な支払の方法で厚生労働省令で定めるものによる場合においては、通貨以外のもので支払い、また、法令に別段の定めがある場合又は当該事業場の労働者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がないときは労働者の過半数を代表する者との書面による協定がある場合においては、賃金の一部を控除して支払うことができる。
ただし、従業員と会社がお互いの自由な意思に基づいて「借入金を給与や退職金から差し引いてよい」という合意をした場合は、その合意に基づいて相殺をすることができます。
会社からの借金を給与や退職金から差し引いてよいという合意がある場合は、会社からの借金は「別除権付債権」という扱いになり、個人再生の対象となりません。
したがって、会社からの借金は減額されないことになります。
個人再生する場合は、会社からの借金と退職金を相殺した後の退職金見込額の4分の1または8分の1を清算価値に計上することになります。
個人再生をする場合、清算価値の算定を含め、手続きはとても複雑です。
弁護士や認定司法書士に依頼すると、以下のメリットを期待できます。
退職金のもらい方ひとつとっても清算価値が大きく変動し、どれだけ借金が減額されるかが変わってきてしまいます。
清算価値に計上される退職金の金額を抑え、個人再生後の返済額を少しでも減らしたい場合は、弁護士や司法書士への無料相談を検討するとよいでしょう。
個人再生をするとき、退職金について注意したい点は以下の通りです。
退職金は清算価値に与える影響が大きいので、個人再生をするメリットを最大限生かすためにも、弁護士や司法書士への相談を検討してみましょう。
※本メディアは司法書士法人みつ葉グループが運営しています
※本記事の内容は2022年7月26日時点の情報です。
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