メールで相談する 0120-56-9911

相続コラム

家族信託

家族信託の信託受益権は遺留分の対象になる

かつて家族信託で継承した財産は遺留分の対象にならないという説がありました。実際に、家族信託を利用すると、遺留分の請求を回避できるのでしょうか。
この記事では、家族信託と遺留分の概要について解説し、遺留分対策の可能性について解説します。遺留分のもめ事のない円滑な相続手続きを望む方は、ぜひ参考にしてみてください。

目次

家族信託を利用して遺留分の請求を回避することはできる?

家族信託の信託受益権も、不動産や現金などの他の相続財産同様、遺留分の対象になる可能性があります。回避は難しいでしょう。
また、遺留分の請求を回避する目的で家族信託を利用している場合、その家族信託契約は無効になるかもしれません。

そもそも「家族信託」・「遺留分」ってどんな制度?

「家族信託」とは、不動産や現金などの財産の管理・処分を家族に託す制度です。家族信託で管理や処分を託す財産を「信託財産」、信託財産を家族に管理・処分してもらって利益を受けられる権利を「信託受益権」と言います。
家族信託では、契約によって二世代以降の受益者を決めることができます。
例えば、夫婦に子どもがいない場合、夫が亡くなると配偶者が夫の遺産を相続し、その配偶者が亡くなると配偶者の親または兄弟に財産が渡ることになります。
そこで家族信託により、自分(ここでは夫)の次の受益者が配偶者、その次の受益者が自分の弟となるように決めておけば自分の親族に遺産を継承させることができます。

しかしそれでは配偶者の法定相続人である親または兄弟は、相続できるはずだった遺産が全て夫の弟に渡ったのですから納得いかないでしょう。
そこで遺留分が登場します。

「遺留分」とは、法定相続人が最低限取得できる相続財産割合のことを指します。法定相続人の生活を保障するために認められている制度です。家族信託の信託受益権にも、遺留分の請求をすることができます。

家族信託の信託受益権はみなし相続財産に該当

信託受益権は契約によって生じる権利のため、相続財産に該当しませんが、「みなし相続財産」という扱いで、遺留分や相続税の対象となります。
みなし相続財産とは、本来相続財産ではないが相続財産と同じように扱う財産のことで、生命保険などがこれに該当します。
みなし相続財産は相続財産に該当しないため、他の相続人と著しい不公平がない限り、遺留分の請求は認められませんが、家族信託の信託受益権は遺留分の請求対象になります。

遺留分請求を回避するための家族信託は無効とされる可能性がある

かつては、信託受益権は、権利の性質上、遺留分の請求対象にはならないという説がありました。
しかし東京地方裁判所平成30年(2018年)9月12日の判決では、遺留分の請求を逃れるための家族信託を無効としました。
このように、家族信託に遺留分の請求を回避する効果は期待できません。

家族信託の際に遺留分の対策をするには

家族信託で財産を継承しても遺留分の請求をされると、それを避けることはできません。
準備次第では、遺留分をめぐる争いが起きることはありません。

家族信託しない財産を手元に残しておく

全ての財産を家族信託に回してしまうと、遺留分を請求される可能性が高くなります。遺留分を侵害しないように相続財産を用意しておくことをおすすめします。

家族信託とは別に生命保険をかけておく

家族信託で不動産を継承したかったのに、遺留分を請求されたために、不動産を処分して金銭を用意した、ということがあっては元も子もありません。家族信託の際に遺留分を請求されたときのために、不動産の取得予定者を生命保険の受け取り手にしておくとよいかもしれません。

家族間での話し合いや遺言書の付言事項で伝えておく

生前に法定相続人と話し合ったり、遺言書の付言事項に記載したりと、被相続人の思いを伝えることで、遺留分の請求が行われる可能性が低くなります。どちらも法的な拘束力はありませんが、被相続人の思いを理解してもらう機会があれば遺留分を請求しようとしていた相続人も考え直すかもしれません。

まとめ:家族信託で遺留分の対策は難しい!詳しくはみつ葉グループにご相談を。

今回は家族信託が遺留分請求の対策になるのかご説明しました。家族信託を行っても、遺留分の請求を逃れることはできません。家族信託の信託受益権はみなし相続財産に該当し、遺留分請求の対象となるからです。家族信託は二世代以降の財産の継承者も決められるため、遺留分を侵害しやすいでしょう。家族信託をする際に遺留分を請求されないようにするためには、法定相続人に最低限の遺産を残したり、相続人との話し合いや遺言で思いを伝えたりするなどの方法があります。遺留分の請求を逃れるために家族信託をした場合、家族信託契約が無効とされる可能性があります。

相続コラムTOP