2020.11.06更新

個人再生の必要書類を詳しく解説!専門家に依頼すれば手続きが楽?

借金問題を解決したい!個人再生なら、家を処分せずに手続きできるのがよさそう
でも、個人再生には必要な書類が多いみたい。自分ひとりで進められるか不安…

債務整理のひとつである個人再生は、裁判所に返済不能を申し立て、借金を大幅に減額する方法です。

しかし、個人再生を申し立てる際には、申立書をはじめとするたくさんの書類に記入したり、添付する書類を用意したりしなければいけません。

さらに申立て後にも数回、何種類かの書類を提出しなければいけないタイミングがあります。

書類には、法律知識が必要な部分もあり、弁護士や認定司法書士に依頼したほうが、準備がぐっとラクになることも考えられます。

まずはこの記事で、個人再生の必要書類についての理解を深めましょう。

個人再生に必要な書類はどれくらいある?

個人再生には、さまざまな書類が必要になります。

個人再生の必要書類の例
書類名 提出タイミング
申立書 申立時
陳述書 申立時
債権者一覧表 申立時
家計収支表(家計表) 申立時
財産目録 申立時
申立人を証明する添付書類
・戸籍謄本
・住民票 など
申立時
財産や家計を示す添付書類
・給与明細書
・源泉徴収票
・退職金見込額証明書
・所得課税証明書または確定申告書の控え
・通帳の写し
・年金通知書(年金を受給している場合)
・児童手当支給決定書(児童手当を受給している場合)
・固定資産評価証明書(不動産を所有している場合)
・賃貸借契約書、更新契約書、社宅証明書(社宅を含む賃貸住宅に住んでいる場合)
・車検証、登録事項証明書、自動車の査定書(自動車を所有している場合)
・保険証券、解約返戻金証明書(保険に加入している場合)
・時価評価額査定書(その他の財産がある場合) など
申立時
借金など債務を示す添付書類
・借用書
・返済予定一覧表
・明細書 など
申立時
住宅ローン特則の利用の際に必要な書類
・住宅資金貸付契約の書面のコピー
・住宅資金貸付契約における弁済の時期及び金額の書面
・登記事項証明書
申立時
財産状況等報告書 申立後
債権認否一覧表 申立後
異議書 申立後
再生計画案 申立後

書類を提出するタイミングは、大まかに申立て時と申立て後に分けられます。

それでは、提出タイミングごとに必要書類を見ていきましょう。

個人再生の申立時に必要な書類は?

個人再生の申立時に必要となる書類には、主に次のようなものがあります。

個人再生の申立時に必要な書類
書類の概要 書類名 入手先
申立てをする 申立書 裁判所
経緯などを説明する 陳述書 裁判所
所有する財産を記入する 財産目録 裁判所
申立人を証明する ・住民票
・戸籍謄本
役所
財産を証明する ・給与明細書
・退職金見込額証明書
・所得課税証明書
・通帳のコピー など
勤務先や役所から入手。通帳を紛失した場合は、金融機関に問い合わせを
家計を証明する 家計収支表(家計表) 裁判所
借金に関する書類 債権者一覧表 裁判所
住宅ローン特則を利用する場合に必要な書類 ・住宅資金貸付契約の書面のコピー
・住宅資金貸付契約における弁済の時期及び金額の書面
・登記事項証明書
登記事項証明書は法務局で入手

続いて、入手先別に集め方を紹介します。

1 まずは裁判所から個人再生に必要な書類を手に入れる

まずは、裁判所から入手できる書類を紹介します。

書式が定められている場合があるので、住所地を管轄する地方裁判所に問い合わせるとよいでしょう。

  • 申立書
    再生手続きの開始を申し立てるもので、申立人の氏名や現住所、生年月日、職業などを記入します
  • 陳述書
    職歴や家計の状況、財産の状況などについて記入します。
  • 債権者一覧表
    債権者の氏名のほか、債務の種類、保証人の有無、借入金額、残額などを記入します。
  • 家計収支表(家計表)
    給与や自営収入、年金などの収入と、家賃、光熱費、食事、医療費などの支出を記入します。
  • 財産目録
    申立人名義の不動産や自動車、加入中の保険や有価証券、預貯金などを記入します。 そのほか、以下を用意する必要もあります。
  • 債権者宛ラベル
    債権者に書類などを送る際に使用するものです。

2 申立書類の内容を証明するための添付資料

先に紹介した必要書類に加えて、その内容を証明するための添付書類も必要になります。

役所や勤務先から新たに入手しなければいけないものや、給与明細書や通帳など、すでに手元にあると考えられるものもありますので、ひとつずつチェックしましょう。

大きく分けて次の1~4があります。

1. 申立人を証明するために必要な書類

  • 戸籍謄本
    役所で入手。世帯全員分で発行日から3ヶ月以内のもの。
  • 住民票
    役所で入手。世帯全員分で発行日から3ヶ月以内のもの。

2. 財産や家計を示すために必要な書類

  • 給与明細書(同居人に収入がある場合は同居人のものも必要)
  • 源泉徴収票
    勤務先から入手。給与明細書は3ヶ月分が必要です。
  • 退職金見込額証明書
    退職した場合の退職金の見込額が記された書類。勤務先から入手。

個人再生の退職金への影響については、以下の記事でさらに詳しく解説しています。
「個人再生の退職金への影響は?勤続5年以上なら退職金証明書が必要?」

  • 所得課税証明書(自営業の場合は確定申告書の控え)
    役所で入手。1年間の所得を証明する書類です。
  • 通帳の写し(1~2年分)
    財産や家計の内容などを確認するために使用されます。

状況によって、以下の書類も必要になります。

  • 年金通知書(年金を受給している場合)
    年金を受給していることを証明する書類です。
  • 児童手当支給決定書(児童手当を受給している場合)
    児童手当を受給していることを証明する書類です。
  • 固定資産評価証明書(不動産を所有している場合)
    所有している不動産の所在地にある役所から入手。発行日から3ヶ月以内のもの。
  • 賃貸借契約書、更新契約書、社宅証明書(社宅を含む賃貸住宅に住んでいる場合)
    賃貸住宅に住んでいることを証明する書類です。
  • 車検証、登録事項証明書、自動車の査定書(自動車を所有している場合)
    自動車を所有している場合、車検証のコピーや、自動車の価値を証明する査定書が必要です。
  • 保険証券、解約返戻金証明書(保険に加入している場合)
    生命保険、医療保険、自動車保険などの保険に加入していることを証明する書類です。解約返戻金が発生する保険の場合は、その額がわかる証明書を提出します。
  • 時価評価額査定書(その他の財産がある場合)
    その他、換金できると思われる財産を持っている場合は、その時価評価額を査定した書類が必要になります

3. 借金など債務に関する書類

  • 借用書、返済予定一覧表、明細書
    債務に関する書類を揃えます。

税金の滞納がある場合は、個人再生の手続き前に解決を!

個人再生をしても、税金は一切減額されません。
税金の滞納をそのまま放置しておくと、延滞税が発生するだけでなく、裁判所により個人再生の再生計画が不認可とされる場合もあります。
税金を滞納している場合は、個人再生の申立の前に完納しておきましょう。

4. 住宅ローン特則を利用する場合に必要な書類

住宅ローン特則を利用すると、住宅ローンを個人再生の対象から外すことができます。

住宅ローン特則を利用する際は、

  • 住宅資金貸付契約の書面のコピー
  • 住宅資金貸付契約における弁済の時期及び金額の書面
  • 住宅や敷地の登記事項証明書

などが必要になります。

個人再生申立て後に提出する必要書類は?

個人再生の申立後にも、提出しなければいけない書類があります。

個人再生申立て後の必要書類
書類名 提出タイミング 入手先
財産状況等報告書 個人再生手続き開始後 裁判所
債権認否一覧表 個人再生手続きの開始決定から約6週間後 裁判所
異議書 個人再生手続きの開始決定から約6週間後 裁判所
再生計画案 申立てから3~4ヶ月後の指定日 裁判所

1 申立てから約1ヶ月後、個人再生手続き開始後に必要な書類

個人再生手続きが始まるとすぐに提出する書類に「財産状況等報告書」があります。

時期の目安は申立ての約1ヶ月後です。

所有財産に追加がある場合は、申立時に用意した財産目録と同じように記入します。

特に追加がなければ「財産目録に記載した通り」にチェックをします。

2 申立てから1〜2ヶ月後、債権額の確定時に必要な書類

個人再生の申立てから1~2ヶ月後に提出する書類は以下の2種類です。

  • 債権認否一覧表
    債権者(借入先)が届け出た債権額に異議がある場合は、認めない旨を記載します。
  • 異議書
    異議のある債権者の氏名や異議の内容をまとめます。

3 申立てから3〜4ヶ月後、個人再生認可・不認可の判断に必要な書類

申立てから3~4ヶ月後の指定日までに提出しなければいけないのが「再生計画案」という書類です。

再生計画案とは、個人再生後の返済額や返済期間を記した計画書のことで、個人再生の認可・不認可の判断に用いられる大切な書類です。

再生計画案を作成するには、最低弁済額を算出し、原則3年で返済する計画を立てる必要があります。

最低弁済額の基準
小規模個人再生 給与所得者等再生
・最低弁済基準額
・清算価値
の高い方
・最低弁済基準額
・清算価値
・可処分所得の2年分
のうちもっとも高いもの

個人再生の手続きの種類については、以下の記事でさらに詳しく解説しています。
「個人再生手続きとは?条件から手続きの流れ、期間・費用まで解説」

自分で個人再生手続きをする場合、どんなリスクがある?

個人再生は自分で手続きを進めることもできますが、いくつかのリスクが考えられます。

1 時間がかかる

これまで説明したように、個人再生にはたくさんの書類が必要になります。

弁護士や認定司法書士に依頼をした場合でも、個人再生の準備には1ヶ月から数ヶ月かかるといわれます。

もし自分で進めるのなら、書類の準備にもっと時間がかかる可能性があります。

また、裁判所に提出した書類に不備があると、補足資料を用意しなければならないこともあり、さらに時間がかかってしまいます。

2 失敗する可能性も

個人再生の申立ができたとしても、その後の手続きがうまくいかない可能性もあります。

  • 再生計画案の不備が修正できない
  • 裁判所が指定した期限までに再生計画案を提出できない
  • 財産目録に不正な記載や記入漏れがある

こうした不備があると、個人再生手続きが失敗することもあります。

特に再生計画案は、法律の要件を満たすだけでなく、債権者の同意を得られないと不認可になってしまう場合もあるので注意が必要です。

弁護士や認定司法書士に依頼すると、個人再生失敗のリスクを減らせる!

このように、必要な書類が多く手続きも複雑な個人再生ですが、弁護士や認定司法書士に依頼する場合、次のようなメリットが考えられます。

1 書類作成の代行またはサポートが受けられる

必要書類の一部を作成してもらえるほか、自分で用意する書類についてもアドバイスをもらうことができます。

弁護士・認定司法書士が代理作成可能な必要書類の例

     
  • 申立書
  • 陳述書
  • 債権者一覧表
  • 財産目録
  • 異議書
  • 再生計画案

2 難しい手続きや債権者との交渉を任せられる

個人再生は、債務整理の中でももっとも手続きが複雑です。

しかし、専門家に依頼すれば、個人では難しい以下の手順も任せることができます。

  • 個人再生手続きの種類の選択
  • 再生計画の作成
  • 住宅ローン特則を使う場合の債権者との交渉

また、再生計画などに法的な説明が必要となった場合も、専門家に依頼していれば問題なく対応してもらえるでしょう。

3 仕事に支障のないよう進められる

個人再生の手続きを自分で行う場合、膨大な書類を作成したり裁判所に出向いたりすることで、仕事に支障が出てしまうかもしれません。

専門家に依頼すれば、手続きの代行またはサポートをしてもらうことができるので、時間のムダが少なくなる可能性があります。

4 個人で進める場合と費用は大差ない

弁護士に依頼するのは、費用が心配という人もいるでしょう。

しかし、個人再生で代理人弁護士がつかない場合は、個人再生委員が選任されるため、その費用を負担しなければいけません(ただし、東京地方裁判所では、代理人弁護士がつく場合でも個人再生委員が選任されます)。

個人再生委員への報酬の目安は15〜25万円程度のため、弁護士に依頼した場合と比べても大きな節約にはならない可能性があります。

5 約98%が、専門家の力を借りている

2017年の調査によれば、個人再生をした人の約98%が弁護士や認定司法書士の力を借りています。

認定司法書士が対応できるのは、1社あたりの借金額が140万円以下の場合のみとなりますが、手続き終了までサポートしてもらえます。

個人再生手続きにあたって、書類を作成する負担や手続き中に失敗するリスクを減らしたいなら、法律事務所の無料相談を検討してみるとよいでしょう。

この記事のまとめ

個人再生にはたくさんの書類が必要になります。

申立て時に必要な主な書類は、

  • 申立書
  • 債権者の一覧
  • 家計表
  • 財務目録

などで、これらを証明するための添付書類も必要となります。


また、申立て後、個人再生手続きが始まった後にも

  • 所有財産に変化がないかどうか
  • 各債権者から提出された債権額に対する認否

についての書類を提出する必要があります。


また、申立て後3~4ヶ月後の指定日までに、個人再生後の返済額や返済期間を記した再生計画案を提出しなければいけません。

このように、個人再生は必要書類が多く手続きも複雑です。

個人再生の手続きにかかる負担を軽減したい場合は、弁護士や司法書士に相談を検討しましょう。

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