2020.10.15更新

個人再生をしたら持ち家はどうなる?残せる?手放すことになる?

個人再生をすると持ち家はどう扱われるの?
住宅ローンがない場合でも、今の家に住み続けることはできるのかな?

個人再生であれば、住宅ローン特則を利用することで、自宅を手放すことなく借金を整理できます。

しかし、住宅ローン特則を利用できるのは、住宅ローンを返済中の場合です。

住宅ローンを完済している場合は、持ち家に住み続けたまま個人再生することは難しいでしょう

個人再生で持ち家はどのように扱われるのでしょうか?

また、住宅ローンを完済していても、今の家に住み続ける方法はないのでしょうか?

詳しく解説いたしますので、ぜひご参考にしてください。

個人再生で家がどう扱われるかはローンを返済中か完済しているかで変わる

個人再生には住宅ローン特則といって、住宅ローンを返済中ならマイホームを残せる制度があります。

しかし、住宅ローン特則を利用できるのは、あくまで住宅ローンを返済中の場合のみです

住宅ローンを完済している場合は、住宅ローン特則が利用できません。

住宅ローンを完済した家は、本人の財産として見なされることになるため、清算価値に組み込まれることになります。

住宅ローンが残っている場合は住宅ローン特則により家を残すことができる

個人再生の住宅資金特別条項(住宅ローン特則)とは、以下のような制度です。

住宅資金特別条項とは?

住宅ローンなどの住宅資金貸付債権は従来通り(またはリスケジュールして)返済を継続することにより、住宅やマンションを処分されないようにしつつ、住宅ローン以外の借金を減額・分割支払いにできる制度

つまり、住宅ローンの返済を継続することで、マイホームに住み続けながらほかの借金を整理することが可能になるのです

ただし、住宅ローン特則を利用するには、主に下記の条件を満たす必要があります。

住宅ローン特則を利用するための条件

  1. 個人再生の要件を満たしている
  2. 住宅資金貸付債権(住宅ローンとしての借り入れ)であること
  3. 本人が所有している住宅であり、本人の居住用の建物であること
  4. 床面積の2分の1以上の部分が居住用であること
  5. 不動産に住宅ローン以外の抵当権がついていないこと
  6. 保証会社による代位弁済後、6ヶ月を経過していないこと

住宅ローンを完済していれば個人再生後の支払いが増える可能性がある

住宅ローンの支払いが既に終わっている家を持っている人が個人再生をすると、家はどのように扱われるのでしょうか?

個人再生には「清算価値保障原則」があります。

清算価値保障原則とは?

個人再生の再生計画における弁済額が、自己破産したと仮定した場合に債権者へ配当される返済額よりも少ない金額ではあってはならないという原則

自己破産では、生活に必要な財産(自由財産)を除いて、財産は換価処分されて債権者(お金を貸している金融機関など)に配当されます。

個人再生をしても、自己破産と比べて債権者が不利益にならないように、清算価値保障原則が定められているのです。

家などの不動産は特に換価価値が高い財産です

このため、持ち家があると、清算価値を押し上げてしまうことになり、個人再生後の返済額が高額になることから、減額効果が得られない可能性があります。

例えば、借金総額が1000万円の人が個人再生をするとします。

個人再生の最低弁済額の基準により5分の1(200万円)に減額されますが、持ち家の査定額が1000万円であれば、清算価値保障原則により、再生計画の返済額は1000万円を下回ることはできません。

このため、個人再生による借金の減額を得られなくなり、個人再生をする意味がなくなってしまうのです。

住宅ローンを完済している持ち家があっても個人再生はできる?

持ち家のような清算価値の高い資産を保有していると、個人再生による効果が期待しにくいことは前述のとおりです。

しかし、持ち家を持っているすべての人が個人再生をする意味がない。というわけではありません。

借金総額に対して、家の査定額が大きく下回る場合は個人再生をするメリットがあります

例えば、借金総額が4000万円で、持ち家の査定額が1000万円だとします。

個人再生の最低弁済額の基準により借金は10分の1(400万円)になりますが、清算価値保障原則の1000万円の方が大きいため、個人再生後の返済額は1000万円になります。

借金の減額は限定的ですが、返済可能であれば効果はあります。

さらに家を手放す必要もなくなるため、個人再生をするメリットがあるといえるでしょう。

家を手放さずに借金の問題を解決するには?

持ち家などがあるケースでは、個人再生による債務整理は難しいのが実情です。

それでも「借金の返済は厳しいがどうしても今の家に住み続けたい」という人は、個人再生ではなく任意整理という方法を検討してみましょう

任意整理とは、裁判所を介することなく、金融機関と交渉し、和解によって借金問題を解決する方法です。

将来利息や遅延損害金をカットした上で、借金の元金を3年〜5年で分割返済していくことを目指します。

任意整理では、借金の元金そのものは減額や免除になることはありません。

しかし、任意整理では、持ち家などの財産を処分されることはありません

金融機関との合意は必要になりますが、任意整理により借金問題が解決できるのであれば、個人再生よりも先に任意整理を検討した方がよいでしょう。

任意整理については、こちらの記事で詳しく紹介しています。
「任意整理とは | メリット・デメリットを比較してベストな解決方法を知る」

借金問題の解決のために家を手放すことも検討

持ち家のように価値の高い財産を持っていれば、借金問題を解決するうえでネックになってしまうことが考えられます。

借金問題を解決のためにも、自宅を保有し続けるよりも、家を手放すことを検討した方がよい場合もあります。

家を売却することを検討

持ち家を売却して、借金の返済に充てることができれば、借金の一括返済または短期間での分割返済が可能になるかもしれません。

個人再生や任意整理などの債務整理をしなくても、家の売却額を借金返済に充てることにより、借金問題を解決できる可能性もあります

借金の問題を放置して滞納を繰り返してしまうと、金融機関からの強制執行によって家を強制的に手放すことに繋がりかねません。

強制執行は裁判所の命令なので、家は競売にかけられます。

競売では、売却額はオークション形式で決定されるので、相場の7割程度になることが一般的です。

競売で強制的に家を手放すより、本人の意思で不動産売却をすれば、相場に近い値段で家を売ることができるので、返済できる借金も増えるでしょう。

持ち家等の保有に固執せず、売却を決断するのもひとつの方法です。

個人再生ではなく自己破産を検討

自己破産では、借金は全額免除になります。

借金解決の効果は大きいですが、一方で、生活に最低限必要な財産(自由財産)を除いて換価処分されることになります。

自己破産をすれば、持ち家は手放すのが原則です

家に固執しないのであれば、自己破産は特に有効な手段となるでしょう。

自己破産についてはこちらで詳しく解説しています。
「自己破産は誤解だらけ!?デメリットや影響を体験談付きで解説」

弁護士に相談すれば家と借金の悩みの解決方法がわかる!

持ち家を残したまま個人再生できるかどうかは、家の査定額が大きく影響します。

個人再生をすればよいのか、あるいは自己破産や任意整理すればよいのかなど。

自分にとって最適な方法の選択には、法律に関する専門的な知識や実務に精通した経験が必要です。

弁護士や司法書士は力強い味方となってくれます。

「自宅に住み続けながら借金問題を解決したい」といった本人の意思も尊重した上で、最適な解決策を提案してくれます。

無料相談をしている法律事務所もありますので、まずは相談から検討してみてはいかがでしょうか。

この記事のまとめ

個人再生をした場合、家はどのように扱われるのかについて解説してきました。

押さえておきたいポイントは以下の通りです。

  • 持ち家の査定額が高額になると、個人再生後の支払い額が大きくなる
  • 持ち家を残したまま借金問題を解決するなら、任意整理を検討
  • 自宅に固執しないのであれば、自宅の売却や自己破産などを検討

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