2020.10.14更新

個人再生するとクレジットカードは解約に!持てない間はどうする?

「個人再生を検討しているけど、クレジットカードがどうなるのか気になる」
「クレジットカードで支払っているものは、どうすればいいの?」

個人再生をすると、持っているクレジットカードは使えなくなります。

さらに5~10年程度は、新たにクレジットカードを作ることができなくなってしまいます。

なぜ、個人再生をするとクレジットカードは使えなくなるのでしょうか?

また、クレジットカードを持てない間は、代わりとなる方法はないのでしょうか?

クレジットカードを利用している人が個人再生をする際に注意すべき点など、詳しく説明していきます。

個人再生するとクレジットカードはどのように扱われるのか?

個人再生をすると、手続きを開始した時点で、クレジットカードは強制解約となり使えなくなってしまいます

個人再生では原則として全ての債務が手続きの対象となります。

クレジットカードは、クレジットカード会社が立替払いをして、その後、利用者に請求する仕組です。

つまり、本人がクレジットカードを利用した時点で、一時的に借金が発生していることになります。

クレジットカードで利用したリボ払いや分割払いは債務(借金)と認識している人も多いかと思いますが、ショッピングの一括払いや携帯電話・光熱費等の料金の支払いもクレジットカードで行っていれば借金となります。

また個人再生の手続きを開始すると、新たに借金をしてはいけませんので、クレジットカードを利用することも認められません。

このため、個人再生の手続きか開始されたことを知ると、クレジットカード会社は利用規約に基づいて、クレジットカードを強制解約するのです。

弁護士に依頼した時点でクレジットカードは利用できなくなる

弁護士や認定司法書士に個人再生を依頼した場合、その時点でクレジットカードは利用できなくなります

個人再生を依頼すると、弁護士や認定司法書士は、クレジットカード会社などの債権者へ「受任通知」を送ります。

受任通知とは、本人が「個人再生を行う予定である」ことと「本人より手続き代行の依頼を受けた」ことを知らせる通知です。

クレジットカード会社は受任通知を受け取った時点で、クレジットカードを強制解約します。

ただし、受任通知が届くまでクレジットカードを利用してよい、というわけではありません。

手続きの直前にクレジットカードを利用すると「返済する見込みがないのに借金をした」と見なされて、個人再生が認められなくなったり、罪に問われたりする可能性があります。

クレジットカードの利用を防ぐため、弁護士や司法書士に依頼した場合、契約しているクレジットカードはすべて預けることが一般的です。

なお、公共料金や携帯電話料金をクレジットカードで支払っている人は、これらの支払いもできなくなります。

手続きの開始前に、支払い方法を口座振替や振込みなどに変更しておきましょう。

利用していないカードも解約に!新しいカードも作ることができない

クレジットカード会社は受任通知を受け取ると、信用情報機関に報告します。

すると、信用情報機関は、本人の信用情報に事故情報を登録します。

信用情報とは、クレジットカードなどを申し込んだ人を審査する際、金融機関が確認する個人情報のこと。

信用情報に事故情報があると、審査に通らなくなり、いわゆる「ブラックリストに載る」という状態になります。

事故情報の掲載期間は5~10年程度で、この間は新規にクレジットカードを作ることできません

信用情報機関別登録期間一覧表

信用情報機関名 登録期間
全国銀行個人信用情報センター(KSC) 10年間
株式会社日本信用情報機構(JICC) 5年間
株式会社シーアイシー(CIC) 5年間

さらに、クレジットカード会社では、契約中の利用者の返済能力を確認するために、定期的な信用情報の照会(途上与信)をしています。

利用していないクレジットカードは、債務整理の対象ではありませんが、途上与信により事故情報であることが分かれば、やはり強制解約となります。

信用情報についてはこちらの記事で詳しく紹介しています。
「債務整理するとブラックリストに何年載る?期間中の対処法5つ」

本人名義ではない家族カードは個人再生をしても利用できる

個人再生を行っても、家族の信用情報には影響はないため、配偶者など本人以外の名義となっている家族カードは利用することができます

個人再生により、信用情報に事故情報が登録されるのは本人だけです。

家族の信用情報に問題が発生することは一切ありません。

クレジットカードを残すためにやってしまう2つのNG行動

前述の通り、個人再生をすれば、クレジットカードを残せる方法はありません

「なんとかクレジットカードを残せないものか」という気持ちはわかります。

    しかし、クレジットカードを残そうとして、
  • クレジットカードを現金化しようとする
  • 契約しているクレジットカードを故意に隠そうとする
  • といったことはしてはいけません。

これらの行動は、個人再生手続に悪影響があるどころか、罪に問われる可能性があるからです。

クレジットカードを現金化しようとしてはいけない

クレジットカードの現金化とは、クレジットカードを利用してブランドの商品や金券などの換金率が高い商品を購入し、それを買取業者に売る行為のことです。

こうしたクレジットカードの現金化は、『クレジットカード会員規約』でも、禁止事項として明記されています

個人再生をする・しないに関わらず、発覚すれば規約に抵触するため、クレジットカードを強制解約されることもあるでしょう。

さらに、個人再生を検討している段階でクレジットカードを現金化することは、罪に問われる可能性もあります。

キャッシングを利用をして現金を手元に残そうとすることも、同様にしてはいけません。

弁護士や司法書士にクレジットカードの契約を隠してはいけない

個人再生手続を依頼された弁護士や司法書士は、本人の債務状況を正確に把握することから始めます。

この時、特定のクレジットカードを隠して申告すると、正確な状況を把握できません。

後からクレジットカードの契約を隠していたことが発覚すると、依頼を断られることもあります

契約しているクレジットカードは、隠さず、利用していないものも含めて申告することが大切です。

個人再生後に新たにクレジットカードを作るには?

個人再生後にクレジットカードが作れるようになるのは、信用情報から事故情報が消えてからです。

事故情報が消えるまでには、手続完了から5~10年程度かかります。

ただし、事故登録の掲載期間が終了した後でも、新規にクレジットカードを作る前には、いくつか気をつけるべきポイントがあります。

自分の信用情報を取り寄せて確認する

個人再生後、5~10年が経過すれば事故情報は消えます。

でも「本当に事故情報は抹消されたのか?」というのは、気になるでしょう。

実は、信用情報機関に問い合わせれば、手数料はかかりますが自分の信用情報を開示してもらうことができます

信用情報の開示は、インターネット、電話、窓口を経由して、それぞれの信用情報機関に申請することができます。

なお、信用情報機関は3社あり、クレジットカード会社によって加盟する信用情報機関が異なります。

主なクレジットカード会社と加盟信用情報機関

クレジットカード会社 加盟・提携信用情報機関
三井住友カード CIC、JICC
三菱UFJニコス CIC、JICC
JCBカード CIC、JICC
楽天カード CIC、JICC、KSC
エポスカード CIC、JICC

加盟する信用情報機関名は、それぞれのクレジットカード会社のウェブサイトに掲載されていますので、確認しておきましょう。

信用情報は、提携する信用情報機関の全社から取り寄せた方が確実です。

しかし、手間や手数料もかかるので、最低でも1社からは取り寄せましょう。

利用限度額やオプションサービスは必要最低限にして申し込む

一般的に、金融機関の審査は利用限度額が高くなればなるほど、審査が厳しくなる傾向があります

個人再生後に、クレジットカードを申し込む場合には、利用限度額やオプションサービスは必要最低限にして申し込みましょう。

また、カードのランクも一番低いものを選んだほうがよいでしょう。

一度に複数のクレジットカードを申し込まない

クレジットカードを申し込むと、信用情報に申込履歴が登録されます。

申込履歴は審査に直接影響するものではありませんが、短期間に複数の申込履歴があると「かなりお金に困っているのではないか」と判断され、審査に通らなくなる可能性があります

いわゆる、申し込みブラックです。

審査に通るのかが不安でも、一気に複数のクレジットカード会社に申し込むのではなく、申し込みは1社ずつ行いましょう。

なお、申込履歴は半年間保管されます。

クレジットカードの審査に落ちた場合には、可能であれば半年ほど間隔を開けてから、別のクレジットカードを申し込みましょう。

個人再生をした際に利用していた金融機関のクレジットカードは避ける

信用情報機関の情報が消えても、同じ会社であれば「債務整理をした利用者」として社内情報が残っている可能性があります

このため個人再生をした際、利用していた金融機関やそのグループ会社の提供するクレジットカードでは、審査に通らない可能性が高いと考えられます。

こうした会社は避けて、ほかのクレジットカード会社へ申し込みましょう。

クレジットカードが利用できない間の代替手段

個人再生後は、クレジットカードを持てなくなるので、原則は現金支払いとなります。

しかし、すべての支払いを現金でするのは不便です。

そこで、クレジットカードを持てない間は、クレジットカードの代わりに利用できる支払い方法を利用しましょう

代替手段は、クレジットカードに似た使い勝手はありますが、リボ払いや分割払いは利用できず、すべて一括支払いとなる点は注意しましょう。

デビットカードを利用する

銀行口座に紐付けて契約するデビットカードは、クレジットカードのように、審査をしなくても作ることができます

支払い時は、クレジットカードと似たような使い方ですが、利用できる上限は銀行口座に入っている金額までとなります。

なお、代金は口座から即時引落となるため、リボ払いや分割払いはできず、必ず一括払いになります。

プリペイドカードを利用する

事前に現金をチャージして利用するプリペイドカードも、金融機関の審査なく発行できます。

SuicaやPASMOなどの交通系ICカード、セブン&アイ・ホールディングスのnanaco、イオンのWAONなどがこれに該当します

事前にチャージした金額までしか使うことができませんが、一方で使いすぎを防げるというメリットがあります。

スマートフォンの決済機能を利用する

携帯電話を使った支払い方法には、大きく分けてキャリア決済とスマホ決済があります。

キャリア決済とは、スマートフォンを契約しているキャリア(ドコモ・au・ソフトバンクなど)のIDとパスワード認証を利用して、携帯電話料金と合算して商品やサービスの代金を支払う決済サービスです。

後払いであり、銀行口座の残高に関係なく使える点は、クレジットカードと同様です。

ただし、代金は携帯電話料金に上乗せされるので、請求額が高額になる可能性があります。

料金を滞納すると携帯電話を止められてしまうため、使いすぎには注意しましょう。

なお、スマホ決済とはスマホアプリを使い、QRコードなどを表示して決済する方法です。

さまざまな企業がサービスを提供しており、PayPayやLINEペイ、楽天ペイなどが代表的です

スマホ決済の支払い方法は「事前にチャージする」「銀行口座から即時引落する」「クレジットカードと紐付ける」の3パターンがあります。

個人再生をした場合にはクレジットカードを持つことができないので、クレジットカードと紐付けて利用することはできません。

ETCパーソナルカードを利用する

高速道路を使った移動が多く「どうしてもETCカードがないと不便」という人は、高速道路会社のネクスコが発行する「ETCパーソナルカード(ETCパソカ)」を使う方法があります。

ETCパソカは、審査なしで発行できるETCカードです

クレジットカードのETCカードと同様、高速道路利用料金の割引を受けることができます。

利用料金は月単位で、銀行口座から引き落とされます。

ただし、ETCパソカは、クレジットカードのETCと異なり、契約時にデポジット(保証金)として最低2万円を預託します。

利用代金がデポジットの80%を超えると一時的に利用が停止されてしまいます。

クレジットカードのETCカードとは使い勝手が少し異なることは理解しておきましょう。

クレジットカードの疑問は個人再生前に弁護士や司法書士へ相談しよう

個人再生は、裁判所に再生計画の認可を受け、借金を大幅に減額してもらう手続きです。

家や車などを残せることもあるなど財産を柔軟に残せる点は、自己破産と比べてメリットがあります。

一方、手続きが複雑であったり準備する書類が多かったりと、自分の力だけではなかなか手続きを進めるのは困難です。

さらに、さまざまな支払いでクレジットカードを利用している人は、思わぬところで手続きや生活に支障が出てしまうこともあるでしょう。

個人再生を検討する場合は、まずは、弁護士や司法書士などの専門家に相談してはいかがでしょうか?

専門家のアドバイスを受けながら手続きを進めることで、クレジットカードが強制解約になっても、その影響を最小限に留めることができます。

実際、個人再生を申し立てる人の99%が弁護士や認定司法書士に依頼しています。

個人再生手続後はどうなるのかも含めて、さまざまな疑問をしてくれるでしょう。

この記事のまとめ

個人再生の手続きをした場合、クレジットカードに関わる注意点について説明してきました。

押さえておきたいポイントは以下の通りです。

  • 個人再生をするとクレジットカードはすべて利用できなくなる
  • 信用情報に事故情報が登録されて5~10年程度は新たにクレジットカードが作れない
  • クレジットカードが使えない期間は、デビットカードなどの代替手段を活用する

個人再生は、利用条件が厳しく手続きも複雑です。

弁護士や司法書士に相談して、的確なサポートを受けながら進めることが大切です。

この記事のまとめ

個人再生の手続きをした場合、クレジットカードに関わる注意点について説明してきました。

押さえておきたいポイントは以下の通りです。

  • 個人再生をするとクレジットカードはすべて利用できなくなる
  • 信用情報に事故情報が登録されて5~10年程度は新たにクレジットカードが作れない
  • クレジットカードが使えない期間は、デビットカードなどの代替手段を活用する

個人再生は、利用条件が厳しく手続きも複雑です。

弁護士や司法書士に相談して、的確なサポートを受けながら進めることが大切です。

関連記事

クレジットカードが返済できない…周囲に相談できない悩みの解決策

手持ちの現金がなくても、サインひとつで買い物ができるクレジットカード。その便利さゆえに、「つい使…

クレジットカードの滞納は3ヶ月を超えると危険!支払えない対処法は?

クレジットカードの支払いを滞納しそう、またはすでに滞納してしまっているという方は、「

家族や会社にバレずに借金返済!周囲に内緒で借金完済する方法を紹介

「誰にも知られないうちに借金を返済したい……」 家族や会社の人な…

自己破産で保証人が追うリスクと保証人に迷惑をかけない対処法を解説

「自己破産するときに保証人に迷惑がかからない方法はないかな」自…

家族にバレない債務整理は?バレるきっかけや手続き後の注意点も解説

「債務整理をしても家族にバレない方法はある?」 債務整理は借…

リボ払いは債務整理できる!任意整理した場合のメリット・デメリット

「毎月支払いをしているのに、リボの残高が全然減らない」 「