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自己破産すればアイフルからの借金の返済義務もなくなる?
自己破産を裁判所に申し立てて、借金の返済が不可能であると認められれば、アイフルからの借金の支払義務も免除されることになります。
アイフルからの借金は、自己破産しても支払義務が残る「非免責債権」ではないからです。
主な非免責債権
- 税金や社会保険料
- 養育費
- 慰謝料(生命や身体を害したことによるもの)
- 悪質な不法行為の損害賠償債務
- 破産申立時に故意に記載しなかった借金
ただし、自己破産をするためには、次の2つの条件を満たす必要があります。
1 借金の返済が困難な状態にあること(支払不能状態)
自己破産するには、「お金を借りた人(債務者)の収入や財産では借金の返済が不可能である」と認められる必要があります。
一般的には、借金の総額が年収の3分の1を上回る場合に支払不能と認められやすいといわれています。
2 免責不許可事由にあたらないこと
破産法では、自己破産を認めるに値しない借金の理由として「免責不許可事由」が定められています。
自己破産が認められるためには、この「免責不許可事由」に該当しないことが必要です。
主な免責不許可事由
- ギャンブルや浪費が過大な借金の原因となった
- 破産申立てから1年以内に、嘘をついて分割払いで商品購入をした
- 債権者(お金を貸した人)を害する目的で、財産を隠したり壊したりした
- 破産申立てから7年以内に免責を受けた
- 換金するために商品をクレジットカードで買い、それを売り払った
とはいえアイフルからの借金の理由が浪費など免責不許可事由であっても、裁判所が事情を考慮して自己破産を認める可能性もあります。
これを「裁量免責」といいます。
自己破産の条件については、以下の記事でさらに詳しく解説しています。
「浪費はNG?自己破産できる条件3つとできないと思ったらすべきこと」
自己破産したら新たな借入はできなくなる?
自己破産すると、その後5〜10年間程度は、個人信用情報機関に事故情報として登録されることになります。
このため、各種ローンやキャッシングなどの新たな借入や、クレジットカードの利用が困難になります。
個人信用情報機関から事故情報が消去されれば、各種ローンやクレジットカードの利用が可能になります。
ただし、アイフルからの借金を自己破産した場合は、アイフルおよび、その関連会社からは借入できない可能性が高くなるでしょう。
自己破産するとどのような影響があるのかについて、以下で詳しく解説します。
自己破産の手続中もお金を借りることはできない
そもそも自己破産は、借りたお金が返せないから、法律の助けを受けて生活を立て直す方法のひとつです。
そのため、一定の制限を受けることになります。
具体的な制限や心がけていかなければならないことは以下のとおりです。
- 自己破産をすると決めたら、新たな借入はできないと考える必要がある。
- 破産手続が開始された時点で持っているカードは契約解除になる。
- 万一、自己破産をすることを隠して借入をした場合、免責不許可事由にあたるので借金の免責が認められなくなる。
なかには、裁判所に知られなければ大丈夫、と新たな借入をしようとする人もいます。
しかし、銀行の取引履歴などからすぐに発覚してしまうことがほとんどです。
自己破産後5〜10年は信用情報機関に自己破産の履歴が残る
自己破産をした場合、免責が決定されてから5〜10年間程度は個人信用情報機関に事故情報として登録されます。
いわゆるブラックリストに載った状態になるということです。
自己破産すると、ブラックリスト期間中でも「借入OK」と勧誘してくる会社がありますが、闇金業者がほとんどなので注意しましょう。
自己破産後に借入審査を受ける際の注意点は?
自己破産から5〜10年が経ち、安定した収入があれば各種ローンを組んだりクレジットカードを作成したりすることも可能になります。
ただし、利用できるかどうかは審査次第です。
その場合、どのようなことを確認して申し込むとよいのか、解説します。
信用情報から事故情報が消えているかどうかを確認する
各種ローンやクレジットカードの審査には、個人の信用情報が影響します。
信用情報から事故情報が抹消されているかどうかは、信用情報を開示してもらえば確認できます。
自分の信用情報がどのようになっているのか、確認するようにしましょう。
日本には3つの個人信用情報機関があり、クレジットカード会社や金融機関は、いずれかに加盟し、情報を得ています。
情報開示手続きに関する必要書類や申込方法は、機関によって異なります。
事前に公式ホームページから確認し、準備しましょう。
日本の信用情報機関 | ||
---|---|---|
名称 | 加盟している金融業者 | 自己破産の登録期間 |
株式会社日本信用情報機構(JICC) | アイフル等、消費者金融会社、全国保証(株)など | 5年間程度 |
株式会社シーアイシー(CIC) | 消費者金融会社、日専連、各クレジットカード会社など | 5年間程度 |
全国銀行個人信用情報センター(KSC) | 銀行、信用金庫、信用組合、農業協同組合、信用保証会社など | 10年間程度 |
※こちらに記載されている加盟している金融業者は一部です。
また、各社1~2社に加盟していることがほとんどです。加盟先は公式サイトで確認できます。
携帯電話の分割払いなどで信用を積む
クレジットカード会社などは、「クレジットカードヒストリー(クレヒス)」を審査の参考にしているといわれています。
コツコツと返済している実績は、貸す側にとっては、安心材料となるからです。
しかし、信用情報から事故情報が消去された時点では、クレジットカードヒストリーがまっさらな状態になります。
これを「スーパーホワイト」といいます。
スーパーホワイトは、
- 過去の事故情報が消えたのか
- クレジットカードを持ったことがないのか
の判断がつかないため、審査に通りづらくなる可能性があります。
そこで、信用情報が消去されたら、携帯電話の分割払いなどで「しっかり返済している」という実績をつけておくのも一つの方法です。
自己破産をしたときの業者・金融機関以外に申し込む
自己破産後に各種ローンなどを検討する場合は、自己破産をした業者・金融機関以外を選ぶようにしましょう。
その理由は、自己破産をした場合は、「社内ブラック」と呼ばれる社内情報として自己破産をした記録が永続的に残ることがあるからです。
そのため、アイフルの借金を自己破産した場合は、アイフルとその関連会社から借入をすることが難しくなるといわれています。
アイフルの場合、個人向けカードローンだけでなく、ビジネスローンの「アイフルビジネスファイナンス」や「ライフカード」の利用もできなくなる可能性が高いと考えられます。
いずれにしても審査が不安な場合は、ネット上で簡易的に借入可能かどうかを確認できる「借入診断」ツールを申込前に試してみてもいいでしょう。
本命の1社のみに申し込む
「審査に落ちたらどうしよう…」と、一度に複数のクレジットカードやローンカードを申し込んでしまうこともあるようです。
でも、それは、デメリットでしかありません。
短期間に複数のクレジットカードやカードローンに申し込むと、審査に通りにくくなるといわれています。
その理由は、一般的に1ヵ月に3社以上の申込をすると、「お金に困っているのではないか」などと疑われる傾向にあるためなのです。
これを「申込ブラック」といいます。
また、申込情報は6ヶ月間信用情報に記録されるといわれています。
もし借入審査に通らなかった場合は、少なくとも6ヶ月以上あけてから、別の業者・金融機関に申し込む方がよいでしょう。
自己破産すると借入先から嫌がらせされる?
自己破産すると、「かつての借入先から、嫌がらせを受けるのでは」と心配する人もいるようです。
でも、心配しなくても大丈夫です。
自己破産をしたことで、借入先から嫌がらせされることはありません。
それは、以下の行為が貸金業法で禁じられているからです。
- 弁護士などからの受任通知や裁判所からの受理票の受け取り後の取り立て
- 自己破産後の嫌がらせ行為(報復行為)
ほかに自己破産のデメリットはある?
自己破産すると、個人信用情報機関に事故情報が登録される以外のデメリットもあります。
連帯保証人や保証人に借金の支払い義務が移る
自己破産は、あくまでも申請した個人のみが支払いを免除されます。
連帯保証人や保証人の返済義務は免除されません。
残債がある場合、金融機関は各保証人に対して一括請求することになります。
一定以上の価値のある財産は処分される
自己破産すると、一定以上の価値のある財産は換価処分の対象となります。
処分の対象となる財産
- 家や土地などの不動産
- 99万円を超える現金
- 1点あたり20万円以上の価値のある財産(車や預貯金、生命保険、宝石など)
反対に、生活に最低限必要な財産は処分されません。
処分の対象とならない財産
- 生活必需品(家具や衣類、電化製品、寝具など)
- 99万円以下の現金
- 職業に必要な道具
自己破産手続き中は一部の資格(職業)に就けない
自己破産の手続き中は、一部の職業に就けないことがあります。
自己破産手続き中に制限のある職業の例
- 士業(護士、税理士、司法書士、弁理士、公認会計士、不動産鑑定士など)
- 他人の財産を扱う職業(貸金業者、質屋・古物商、生命保険募集人など)
自己破産以外の方法で借金問題を解決できる?
アイフルからの借金の返済が難しい場合は、まずはアイフルにいつまでなら払えるのかなどを連絡することが大切です。
そうすることで、それまでの督促を控えてもらえたり、返済計画の相談に乗ってもらえたりする可能性があるからです。
もし督促があった場合も、無視するようなことは避けましょう。
返済が難しいと思ったら、どのような状況なのかを自分から説明できるよう、お金の流れを把握しておくことが大切です。
もし自力での完済が厳しそうなら、債務整理も選択肢となります。
自己破産以外の債務整理方法として、任意整理と個人再生について詳しく解説します。
借入先と交渉して返済負担を減らす「任意整理」
借入先の業者・金融機関と交渉し、月々の返済負担を軽くすることで返済できるようにする方法が任意整理です。
任意整理には、以下のようなメリットとデメリットがあります。
メリット
- 将来の利息がカットされ、3〜5年での分割返済が可能になる可能性が高い
- 過払い金がある場合には元金が減る
- 原則的に家や車を手放す必要はない
- やむを得ない事情があれば、特定の借入先のみを交渉の対象にできる
- 保証人に迷惑をかけずに手続きすることも可能
- 家族や勤務先に比較的知られにくい
デメリット
- 信用情報機関に事故情報が約5年間掲載される
- 原則的に元本は減らない
以下のような人には任意整理が適する可能性があります。
- 借金総額が少ない
- 安定した収入があり、原則3〜5年で完済できる
- 家や車などの財産を手放したくない
任意整理については、以下の記事でさらに詳しく解説しています。
「任意整理とは❘メリット・デメリットを比較してベストな解決方法を知る」
裁判所を介して借金を大幅に減額する「個人再生」
個人再生とは、民事再生法に基づき、裁判所を介して借金を5分の1〜10分の1(最低返済額は100万円)にまで大幅に減額し、原則3年で返済できるようにする方法です。
個人再生には以下のようなメリット・デメリットがあります。
メリット
- 借金を1/5〜1/10程度まで大幅に減らすことができる
- 原則的に家や車などの財産が処分されることはない
- 借金の原因が問われない
- 手続き中の資格・職業制限がない
- 強制執行による差し押さえを止めることが可能
デメリット
- 連帯保証人や保証人に借金の返済義務が移行する
- 手続きが複雑で、時間だけでなく費用もかかる
- 信用情報機関に事故情報が5〜10年程度掲載される
以下のような人には個人再生が適する可能性があります。
- 借金の総額が大きいものの安定した収入がある
- ローン支払い中の自宅を失いたくない
個人再生については以下の記事でさらに詳しく解説しています。
「個人再生と債務整理の違いは?デメリットや減額幅・条件などまとめ」
弁護士や司法書士などに借金の解決方法を相談してみても
アイフルからの借金返済に困った場合は、弁護士や司法書士といった専門家に相談するのも選択肢のひとつです。
どの借金解決方法が最適かは、他の借金や財産、安定した収入の有無によって違ってきます。
また、債務整理方法にはそれぞれメリット・デメリットがありますので、それらを知ることも大切です。
債務整理の実績が豊富な弁護士や司法書士には、アイフル以外の借金のことも相談でき、自分の状況に合った方法をアドバイスしてもらえます。
弁護士や認定司法書士に依頼すれば請求や取り立てをストップでき、複雑な手続きや借入先との交渉を代行またはサポートしてもらえるでしょう。
また、万一、借入先とトラブルになった場合も、適切な法的措置を講じてもらえるので安心です。
まずは無料相談を受け付けている法律事務所に相談することを検討してみてはいかがでしょうか。