2020.09.24更新

自分に適しているのはどれ?自己破産・任意整理・個人再生の違い

「借金を繰り返していたら、いつの間にか借金額が200万円に…」
「借金問題の解決方法を知りたい!」

借金返済ができなくなり、自分に合った債務整理の方法を知りたい人も多いでしょう。

借金問題を解決する方法のひとつである債務整理には、主に自己破産、任意整理、個人再生があります。

どれも債務整理の方法ですが、借金の返済義務が免除されるものもあれば、借金を減額して返済を続けるものもあるなど、内容はさまざま。

家や車といった財産の扱いも、債務整理方法によって異なります。

この記事では、自己破産、任意整理、個人再生の違いや、メリット・デメリットを紹介します。

それぞれの特徴を知り、自分に適した債務整理の方法を見つけるヒントにしましょう。

自己破産・任意整理・個人再生の違いとは?

債務整理方法には、自己破産・任意整理・個人再生の3種類があります。

自己破産
借金の支払いが不可能であることを裁判所に認めてもらい、借金を支払わなくてもよいという決定をもらう方法。

任意整理
借入先の金融機関と直接交渉し、借金を無理なく返済できる方法を双方で合意する方法。
将来利息をカットし、元金を3~5年で返済することが多い。

個人再生
民事再生法に基づき、裁判所を介して借金を1/5〜1/10程度に減額し、原則3年(最長5年)で返済する方法。

借金の減額幅でいうと、

自己破産→借金がゼロになる
任意整理→将来の利息分はカットされるが、元本は減らない
個人再生→借金の元金を大幅に減額できる
という違いがあることがわかるでしょう。

続いて、家や車といった財産の扱いや保証人への影響など、項目ごとの比較を見ていきます。

自己破産・任意整理・個人再生の特徴を比較

自己破産・任意整理・個人再生それぞれの特徴を比較すると以下のようになります。

処分対象にならない退職金等

項目 自己破産 任意整理 個人再生
減額幅
すべての借金が帳消しに

将来利息のカットと過払い金があれば減額

借金総額を1/5〜1/10程度まで減額
×
原則、処分される

維持できる

維持できる(※1)

20万円以上の価値があれば処分

手放す必要なし

ローンが残っている場合は処分
生命保険等
解約返戻金が20万円以上になる場合は解約

解約の必要はない

解約返戻金が多額の場合、返済額が上がる
家族 ×
知られる可能性が高い

知られる可能性はほぼない

知られる可能性はある
会社
知られる可能性は低い

知られる可能性はほぼない

知られる可能性は低い
保証人 ×
返済義務が保証人に移る

基本的に迷惑はかからない
×
返済義務が保証人に移る
職業・資格
手続き期間中、一部の職種、資格が制限される

なし

なし
ブラックリスト ×
約5〜10年
×
約5年載る
×
約5〜10年載る
官報 ×
載る

載らない
×
載る
借金原因 ×
問われる

問われない

問われない
裁判所手続き ×
必要

不要
×
必要
手続き期間 約3~12ヶ月 約1~3ヶ月 約6~12ヶ月
手続き費用 約30~70万円
(※2)
(債権者1社あたり)3~5万+減額報酬10~20%
(※3)
約70万円〜(住宅ローンありの場合は+5~10万円)

※1.住宅ローン特則利用時に限る
※2.弁護士費用+裁判所費用の合計
※3.弁護士費用のみ

たとえば、財産については
自己破産→一定以上の価値のある財産は処分
任意整理→家や車などの財産を残せる
個人再生→家や車(ローン支払中を除く)などの財産を残せる
という違いがあります。

次に、それぞれのメリット・デメリットを比較してみましょう。

自己破産・任意整理・個人再生のメリット&デメリット

自己破産・任意整理・個人再生には、それぞれメリットとデメリットがあります。

自己破産

自己破産には以下のようなメリット・デメリットがあります。

メリット
  • すべての借金の返済義務がなくなる
  • 主婦やフリーター、無収入の人も利用できる
デメリット
  • 信用情報機関に事故情報が5〜10年程度掲載されるため、期間中は新たな借入ができない
  • 一定以上の価値のある財産が処分される
  • 手続き中は、職業や資格に制限がある
  • 保証人、連帯保証人に借金の支払い義務が移る

一定の財産の処分や、ブラックリストに載るなどのデメリットはありますが、すべての借金の返済義務がなくなるのが自己破産のなによりのメリットです

ただし、浪費やギャンブルといった正当ではない理由で借金を抱えた場合、自己破産が認められないケースもあります。

また、税金や養育費、罰金など自己破産によって免除されない支払いがあることにも注意が必要です。

自己破産については以下の記事でさらに詳しく解説しています。
「自己破産は誤解だらけ!?デメリットや影響を体験談付きで解説」

任意整理

任意整理には、以下のようなメリット・デメリットがあります。

メリット
  • 将来利息がカットされ、元本のみを返済する
  • 過払い金があれば元本も減らせる
  • やむを得ない事情がある場合は、特定の借入先のみ交渉の対象にできる
  • 保証人に迷惑をかけずに手続きできる
  • 原則的に家や車を手放す必要はない
  • 借金の理由を問われない
  • 家族や会社に比較的知られにくい
デメリット
  • 信用情報機関に事故情報が約5年掲載されるため、期間中は新たな借入ができない
  • 減額の範囲は、将来利息のカット、遅延損害金のカットで、大幅な減額にはならない

裁判所司法統計によれば、平成30年度の債務整理の利用者数は以下の通りで、任意整理を利用する人がほとんどであると考えられています。

任意整理→不明(推定200万人)
個人再生→12,286人
自己破産→71,543人(法人は含まず)

裁判所を介さない手続きのため、自己破産や個人再生に比べると家族に知られる可能性が低い点も、任意整理が選ばれる理由のひとつといえるでしょう。

任意整理については、以下の記事でさらに詳しく紹介しています。
「任意整理のデメリットと対応策|任意整理すべき基準や手続きも解説」

個人再生

個人再生には、以下のようなメリット・デメリットがあります。

メリット
  • 借金の元金を1/5〜1/10程度に減額できる
  • 借金をした理由が問われない
  • 原則的に家や車などの財産を処分されることはない
  • 手続き中の資格・職業の制限がない
  • 強制執行による差押えの停止が可能
デメリット
  • 保証人、連帯保証人に借金の支払い義務が移る
  • 手続きが複雑で期間も費用もかかる
  • 信用情報機関に事故情報が5〜10年程度掲載される

個人再生は、民事再生法に則り、裁判所に返済不能を申立て、借金を大幅に減額するものです。

住宅に関しては、ローンの支払中であっても「住宅ローン特則」を利用すれば、家を手放さずにそのまま住むことができるのも、個人再生のメリットのひとつです。

個人再生については、以下の記事でさらに詳しく解説しています。
「個人再生と債務整理の違いは?デメリットや減額幅・条件などまとめ」

自己破産はどんな人に向いている?

次のようなケースにあてはまる場合は、自己破産が借金問題の有効な解決手段となる可能性があります。

自己破産は、任意整理や個人再生で問題解決できない場合の最終手段ともいえるでしょう。

自己破産が向いているケース

  1. 安定した収入がなく、今後得られる見込みもない
  2. 家や車など、おおむね20万円以上の価値のある財産を持っていない
  3. 金融機関からこれ以上借りられない
  4. 複数の金融機関から借金している
  5. 借金総額が年収より多い(住宅ローンを除く)
  6. 任意整理や個人再生では解決できそうにない

任意整理はどんな人に向いている?

借入先の金融機関と交渉し、将来利息をカットして元金のみを返済していく任意整理は、債務整理の方法の中でも、もっとも多く利用されています。

裁判所を利用しないので必要書類も少なく、家族に知られたくない人にも向いているといわれます。

任意整理が向いているケース

  1. 安定した収入があり、返済する意思がある
  2. 将来分の利息がカットされれば、3〜5年で返済できる
  3. 手続きに時間をかけたくない
  4. 保証人に迷惑をかけたくない
  5. 家や車などの財産を失いたくない
  6. 家族や職場に知られたくない

個人再生はどんな人に向いている?

安定した収入があって借金が大幅に減額されれば返済可能な場合は、借金を5分の1〜10分の1程度まで圧縮できる個人再生を検討してもよいでしょう。

住宅ローンが残っているが自宅を失いたいたくないという人にも、個人再生は適していると考えられます。

個人再生が向いているケース

  1. 安定した収入があり、返済する意思がある
  2. 住宅ローン以外の借金総額が5000万円以下である
  3. 借金が多く、任意整理しても支払えそうにない
  4. 持ち家は手元に残したい
  5. 給与の差押えを受けている
  6. 一定の資格が必要な職業に就いている(士業、警備員、生命保険募集人など)

自分に適した方法がわからなければ専門家への相談も視野に入れて

債務整理には、自己破産・任意整理・個人再生の3種類があります。

しかし、借金総額はもちろん、安定した収入や財産の有無、職業などによっても、最適な借金解決方法は変わってきます

そんな時は、弁護士や司法書士といった法律の専門家に相談し、自分の状況に合った債務整理の方法をアドバイスしてもらうのもいいでしょう。

専門家に依頼すると、必要書類の準備や裁判所などとのやり取りを代行またはサポートしてもらえます。

また、借入先に「委任通知」が送られて取り立てが止まるため、精神面での負担が減るのもメリットです。

無料相談が可能な法律事務所もあるので、悩んでいる人は検討してみるといいでしょう。

この記事のまとめ

借金を繰り返し返済が難しくなった場合の債務整理には、次の3つがあります。


  • 借金をゼロにして、生活を再生するための制度「自己破産」
  • 借入先の金融機関と交渉し、借金を無理なく返済する方法を双方で合意する「任意整理」
  • 借金の総額を大幅に減額して、返済を続ける「個人再生」

いずれの方法でも、5~10年程度はブラックリストに載るデメリットはありますが、借金問題を解決するきっかけとなります。

弁護士や司法書士といった法律の専門家に相談すれば、借金の総額や、現在の収入などから、あなたに最も適した方法を提案してもらえるでしょう。

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