アメックスの債務整理は可能
アメックスカードはアメリカに本社を置くクレジット会社ですが、支払いに困ったときは、他の一般的なクレジット会社と同じように債務整理をすることができます。
債務整理の説明に入る前に、まずはアメックスカードの特徴について押さえておきましょう。
アメックスの特徴
アメリカン・エキスプレス・カード(通称アメックスカード)は、アメリカに本社を置く世界的にも有名なアメリカン・エキスプレス・インターナショナル・インコーポレイテッドが発行するクレジットカードです。
提携カードも含めたすべてのアメックスカードに高い年会費が設定されており、所有しているだけでステータスの高さを評価されます。
空港のラウンジが無料で使えるなど、旅行・出張での優待サービスに強いのが特徴です。
優雅な待遇に気持ちが大きくなり、つい使いすぎてしまうこともあります。
アメックスカードは、2012年6月でキャッシングサービスを終了しています。
クレジットの利用限度額は公開されておらず、各会員の利用実績などによって、その都度評価されているようです。
返済に困ったら債務整理を
アメックスカードの返済に困ったら、借金の負担を軽くするために債務整理を検討しましょう。
アメックスはアメリカに本社を置く会社ですが、債務整理の交渉にもしっかりと応じてくれます。
借金を放置していると、利息が膨らんでますます返済できなくなってしまうので、早めに手続きをすることをおすすめします。
アメックスの借金で任意整理をするとき
主な債務整理の手続きには、負担が小さいほうから順に、任意整理、個人再生、自己破産の3つがあります。
3つの債務整理の内、どの手続きをとるべきかは返済額や収入額などに応じて考えます。
アメックスの返済だけで困っているときは任意整理
クレジットの支払いや借入の返済がアメックスだけの場合、まずは任意整理を検討しましょう。
任意整理は、裁判所を介さずに直接クレジット会社と交渉して進める債務整理の手続きです。
裁判所に出頭することも煩雑な書類を用意する必要もなく、比較的簡単な手続きのため、会社や家族にバレるリスクは低いといえます。
クレジットの利用額である元金は全額返済する代わりに、将来利息や遅延損害金を免除してもらい。返済期間も3~5年まで伸ばしてもらえるように交渉します。
アメックス以外に借入やクレジットの支払いがなく、元金を3~5年で完済する見込みがあるのであれば、債務整理は任意整理で進めていいでしょう。
アメックスで過払い金の請求は期待できない
過払い金とは、法定利率を超える違法な金利で支払われていた利息のことです。
アメックスも、かつてはかなり高い金利でキャッシングを行っていた時期があり、当時借入をしていた人は過払い金が発生している可能性があります。
ただし、過払い金には時効があり、最後の取引から10年間取引がないと、時効により請求できなくなります。
アメックスは2012年6月末でキャッシングサービスを終了しているので、それ以降新たな借入契約はできず、時効が延長されることはありません。
また、貸金業法の改正により金利を引き下げられた2007年以前の借入でなければ、そもそも過払い金が発生している可能性もほとんどありません。
アメックスで任意整理以外の手続きをするとき
任意整理は、将来利息や遅延損害金を免除してもらえても、元金が減額になることはほとんどありません。
アメックスの支払い額が膨れ上あがっていたり、他の金融会社からの借入があったりすると、任意整理では返済が難しいかもしれません。
その場合は、個人再生や自己破産の検討もしておきましょう。
個人再生でできることとリスク
個人再生とは、裁判所を通して手続きを行い、借金額に応じて、返済していく借金を大幅に減額してもらう債務整理の方法です。
借金額の基準と減額の関係
・100万円未満:全額返済(減額なし)
・100万円以上、500万円以下の場合:100万円に減額
・500万円を超えて、1500万円以下の場合:5分の1に減額
・1500万円を超えて、3000万円以下の場合:300万円に減額
その他、持ち家がある場合でも没収されずに債務整理ができるといったメリットもあります。
リスクとしては、
・官報に載るので、場合によっては周囲にバレることがある
・減額されたあとの元金は返済しなければならないので一定の安定収入は必要
などがあります。
「元金を全額返済するのは難しいが、大幅に減額してもらえれば返せそうだ」
という人には個人再生が向いているでしょう。
自己破産でできることとリスク
自己破産とは、裁判所を通して手続きを行い、借金の全額を免除してもらう債務整理の方法です。
借金をゼロにしてもらう代わりに、自己破産には厳しいリスクも伴います。
自己破産をするリスクとして大きなものは、
・車や持ち家などの財産が没収される
・一定期間、士業や団体職員など一部の職業に就けなくなる
・借金をした理由によっては、借金の免除が認められない
などが考えられます。
「失業などで収入がなくなり、返済するメドがまったくたたない」
「財産を没収されてもいいから生活をやり直したい」
などの場合は自己破産が向いている場合があります。
最適な手続き方法は専門家に相談を
借金の金額だけではなく、収入の状況、所有財産など、事情によって取るべき選択肢は異なります。
債務整理の実績が豊富な司法書士や弁護士などの専門家に相談することで、自分の最適な手続き方法がわかります。
専門家に依頼をすることで
「持ち家を残したい」
「債務整理のあとの生活の影響を小さくしたい」
「債務整理は家族に迷惑をかけないか」
などの個人的な悩みも踏まえて適切なアドバイスをもらえます。
借金の負担軽減だけではなく、債務整理をした後の生活不安も合わせて、相談してみてはいかがでしょうか。
アメックスの債務整理に関しておさえておきたい注意点
アメックスで債務整理を進める前に、大事な注意点があります。
すべての債務整理に言えることなので、必ず押さえておきましょう。
カードで貯まったポイントは失効してしまう
アメックスに限らず、クレジットカードの債務整理をすると、そのクレジットカードは解約となります。
解約と同時に、それまでに貯まっていたポイントも失効してしまいます。
どの債務整理をしても事故情報は登録される
任意整理、個人再生、自己破産のどの債務整理をしても、信用情報機関に事故情報として登録されます。
事故情報の登録期間の目安は、
・任意整理と個人情報が5年間
・自己破産が7~10年間
です。
ブラックリスト入りしたら審査には通らない
信用情報機関に事故情報が登録されることを、いわゆる「ブラックリスト入り」といいます。
ブラックリストに入ると、新しくクレジットカードを作ることも、ローンを組むこともできなくなります。
「アメックスはブラック入りしても審査に通る」という噂がありますが、アメックスも一般のクレジットカード会社と同じように、債務整理によってブラック入りした人を審査に通すことはありません。
ただし、アメックスはアメリカに本社を置くクレジット会社なので、日本の審査基準とは若干違います。
払い忘れによる滞納や遅延などの軽微な事故でブラックリストに入ったものの、高額の収入を安定して得られている人であれば、審査に通る可能性もあります
債務整理をしてもデビットカードなら作れる
債務整理をしてクレジットカードが持てなくなると、生活に不便を感じてしまうかもしれません。
その場合は、デビットカードを持つようにしましょう。
デビットカードは銀行口座があれば作成可能で、クレジットカードのような審査は不要です。
ネットショッピングでも店頭の買い物でも利用できるので、アメックスカードを使っていたときと大差のない生活を維持できます。