2020.05.01更新

債務整理すると車を失うの?車を残す方法と債務整理後の注意点を解説

債務整理すると車を失うの?

車を手放さずに借金問題を解決することってできる?

この記事では、債務整理と車の関係について解説します。

債務整理には任意整理、個人再生、自己破産と種類がありますが、車を残せるかどうかはローンの有無が関係しています

債務整理後に新しくローンを組めるかどうかも気になる点ではないでしょうか。

しく見ていきましょう。

任意整理と車の関係

まずは任意整理と車の関係についてお話しします。

任意整理の対象から外せば車は残せる

任意整理は交渉先を選べる手続きなので、例えば複数の金融業者に借金がある場合に、

  • 消費者金融と銀行系カードローンを対象に含める
  • 自動車ローンは対象に含めない

といったことが可能です。

ローンの返済を終えていない車を整理の対象から外せば、車を手元に残せます。

車を任意整理をしたら回収される可能性がある

ローンが残っている車を任意整理に含めれば、車を回収される可能性があります。
一般的にローンの返済が終わるまで、車の所有権はローン会社に残っているためです。

所有権がローン会社にある場合、完済しなければ所有権は変わらないので、任意整理に自動車ローンを含めれば車は引き上げられます。

ローンが残っている車を任意整理しつつ、かつ手放したくない場合は、親族などにローンを一括返済してもらう方法が考えられます。

個人再生と車の関係

次に個人再生と車の関係についてお話しします。

ローンがない場合は車は残せる

個人再生は自己破産のように財産が没収される手続きではありません。
そのためローンを完済していれば手元に車を残せます。

ただし清算価値保障の原則には注意が必要です。
清算価値とは、財産をすべて現金に換えた場合の価値を言います。

個人再生自体は原則5分の1に借金を減らせる手続きですが、清算価値の方がこの5分の1の返済額よりも大きい場合は、清算価値の額だけ返済しなければなりません。

清算価値保障の原則の事例

例えば個人再生で500万円の借金を100万円に減らせるとします。
この場合、財産が預貯金70万円のみなら100万円を超えないので、個人再生後の100万円が返済額です。

一方で、同じケースで50万円の価値(清算価値)がある車を所有しているとします。
この場合、預貯金70万円と合わせた財産は120万円(清算価値の合計)となり、個人再生の100万円を超えるので、大きい方の120万円が返済額になります。

ローンがある場合は車を残せない可能性も

ローンがある場合は車を残せない可能性があります。
ローン会社に所有権が留保(所有権留保)されていれば、個人再生で引き上げられるからです。

所有権留保とは、商品を引き渡した後も、ローンが残っている間の所有権は売主にあることを言います。
自動車ローンにおいては車が商品、ローン会社が売主、買主はローンを組んだ人です。

信販系のローンは所有権がローン会社にあることが多く、銀行系は所有権が本人にあることが多いです。
一般的には信販系のローンが多いですが、銀行系のローンの場合は車を失いません。

所有権がローン会社にある場合、親族などにローンを一括返済してもらうことで車を残す、という方法もあります。

「別途権協定」で残せる場合もある

一般的に所有権は留保されているのが基本ですが、ローン会社との交渉によって残せるケースがあります。
車を引き上げない代わりに支払いを継続する合意を別除権協定と言いますが、裁判所の許可が必要で、認められるかどうかは状況次第です。

認められやすいケースとしては、個人タクシーの運転手や個人の運送業者で、自分の車がなければ事業の継続が困難な場合です。

車を手放して収入が途絶えれば個人再生の返済を継続できないため、裁判所の許可を得やすいと言えます。

債務整理と車のローンの関係がもっと知りたいという方は「車のローンを債務整理したらどうなる?手続き後も車に乗り続ける方法」で詳しく解説していますので、合わせて確認しておくといいでしょう。

自己破産と車の関係

最後に自己破産と車の関係をお伝えします。

基本的に車は自己破産では残せない

基本的に自己破産すると車は残せません。

ローンが残っていれば所有権留保によってローン会社が没収しますし、ローンがなく所有権が本人に移っていても、査定額20万円以上の車は裁判所が没収します。

個人再生と違って、親族などがローンを一括返済しても査定額20万円以上の車は没収されます。

残せるのは車が時価20万円以下のとき

車を手元に残せるのは時価20万円以下のときです。

新車の購入から6年経てば評価額が一気に下がると言われていますが、高級車や人気車の場合は、新車の状態で購入して6年が経過していても、時価20万円を超えるケースがあります。
購入から6年経過していても、時価20万円以上であれば手元には残せません。

裁判所によって年数の評価が異なることもあるので、弁護士や司法書士のような専門家に相談すると良いでしょう。

債務整理をした後にローンは組めるの?

債務整理後に気になるのが、新たにローンを組めるかどうか、ではないでしょうか。

債務整理をすると基本的にローンは組めない

債務整理をした後は基本的にローンを組めません。
自己破産、個人再生、任意整理、どの手続きも信用情報機関に事故情報が登録されるからです

いわゆるブラックリストと呼ばれるものですが、その後、一定期間はローンを組むことが難しくなります。

ずっとローンを組めないわけではない

債務整理してもずっとローンを組めないわけではありません。
ブラックリストから削除されればローンを組める可能性が出てきます。

ブラックリストから削除されるまでの期間は、

  • 任意整理は約5年間
  • 個人再生は約5年~10年間
  • 自己破産は約5年~10年間

となっています。

自身の事故情報は信用情報機関に開示請求することで分かります。
信用情報機関にはCIC、JICC、KSCがありますが、全て開示請求に応じています。

社内ブラックで組めない場合もあり得る

一定期間を経て事故情報が削除されても、社内ブラックでローンを組めない場合もあり得ます。

社内ブラックとは、その会社だけのブラックリストです
過去に債務整理を行った利用者の情報は、同じ系列のグループ会社も含めて社内ブラックとして共有されています。

信用情報機関から事故情報が削えても社内ブラックは残るため、同じ会社にローンを申し込んでも、審査に通ることは難しいでしょう。

債務整理をした後に借入れをしたい場合は、別なローン会社に申し込むことを検討しましょう。

債務整理の後でも車の利用は制限されない

債務整理直後でも車の利用自体は全く制限されません。

あくまでも金融機関のローン審査に通らないだけで、運転を禁じられているわけではありませんので、一括で購入する場合は利用できます。

中古車販売店が独自で提供している自社ローンは信用情報機関の照会をしないので利用できますし、レンタカーも現金払いなら利用できます。

この記事のまとめ

債務整理して車を失うかどうかは手続きの種類によって異なります。


任意整理は、ローンありの車を対象から外せば残せます
個人再生は、ローンがなければ手元に残せます
自己破産は、ローンなしで査定額20万円以下なら残せます


債務整理後はブラックリストに載りますが、事故情報が5年~10年で消滅した後は、ローンを組める可能性が高くなります。


このように、債務整理をすると必ず車を手放さなければならないわけではありません。
債務整理後にも車の利用自体が制限されるわけではありませんので、前向きに捉えて債務整理を検討してみてはどうでしょうか。

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