2020.03.26更新

任意整理で月々の返済額はどう決める?見落とせない注意点とは?

任意整理をすると、月々の返済額はいくらぐらいになるの?
月々の返済額はどうやって決めているのかな?

任意整理で総返済額が減ることは知っていても、月々の返済額の決め方を正確に把握している人は少ないかもしれません。

手続き後に無理のない返済を続けて完済するためにも、月々の返済額の決め方を確認しておくことは大切です。

この記事では、任意整理に関して

  • 月々の返済額の決め方と注意点
  • 月々の返済が難しくなった場合の対処法

などについて説明します。

任意整理の月々の返済が決まるまで

月々の返済額を決めるには、まずは借金の総額がいくらなのかを確認して、次にその借金総額から月々の返済額を割り出します。

シミュレーションをしながら詳しく説明していきます。

1.まずは借金の総額を決める

借金の総額を計算するには、資料として、契約書・取引明細書・クレジットカードの利用明細などが必要になります。
取引日・借金の残高と利息・残り回数・返済がいつまで続くのかなども確認しましょう。

確認した上で、次の手順で計算します。

  1. 借金の残高をすべて足す
  2. 1から、将来利息・延滞で生じる遅延損害金を引く
  3. 過払い金の請求ができる場合は、「引き直し計算」をして、返還請求ができる額を確認し、これも1から引く

このように計算の手順をあげてはいますが、実際に将来利息や遅延損害金の計算、引き直し計算をすると複雑で、正確な計算のためには貸金業者への確認事項なども出てきます。

足し算や引き算だけで簡単に計算できるものでもないので、借金の総額の計算は専門家に相談することをおすすめします。

2.次に、計算した借金総額から月々の返済額を決める

任意整理で月々の返済額を決める方法は2通りあります。

パターン1:月々の返済額を決めてから計算
無理のない月々の返済額で、借金の総額を割って、返済期間が36ヵ月~60ヵ月(3~5年)に納まるようにします。

パターン2:返済期間を決めてから計算
上記の借金の総額(将来利息等のカット、引き直し計算をした後の借金総額)を、月単位の返済期間で割ります。

自分の収支に見合った無理のない返済を継続できるように、返済期間と月々の返済額を調整します。

任意整理の返済期間は、3~5年で貸金業者との交渉をまとめます。 多くの場合は3年、特別の事情がある場合は5年と考えておきましょう。

月々の返済額をシミュレーション

ここまでの説明を踏まえて、100万円(年利14.8%)の借り入れ金を例に、月々の返済額の計算をシミュレーションします。

記事では、わかりやすくするために将来利息のカットだけをして説明します。

1.まずは借金の総額を決めるシミュレーション

次のシチュエーションを想定しています。

元本100万円(年利14.8%)

利息総額15万5,382円

月々の返済額は5万円

5回返済後に任意整理に着手

総返済額は115万5,382円

5回返済をしているので、任意整理をすると借金残高等は次のようになります。

元本残高=80万6,961円

利息は5回の返済で5万6,961円を返済

残りの利息9万8,421円はカット(利息総額15万5,382円-返済済み利息5万6,961円)

任意整理後の返済額は80万6,961円(元本残高)

総返済額は90万1579円(利息カット分だけ減額)

任意整理では利息はカットできるので、任意整理後の返済額は元本残高の80万6,961円のみで、残りの利息分の9万8,421円だけ減額できたことになります。

2.計算した借金総額から月々の返済額を決めるシミュレーション

ここまでの計算で利息カットされた返済額(元本残高)80万6.901円を使って計算します。

さきほど説明した2つのパターンそれぞれでシミュレーションしてみます。

パターン1:月々の返済額を決めてから計算


月々の返済額5万円=返済期間16ヵ月(1年4ヵ月)=任意整理前


月々の返済額3万円=返済期間26.8 ヵ月(2年3ヵ月)


月々の返済額1万円==返済期間約81ヵ月(6年9ヵ月)

月々の返済額が1万円だと返済期間5年を超えてしまうので、和解はまとまりにくそうです。

パターン2:返済期間を決めてから計算


5年で返済したい場合=月々の返済額は約1万3,449円(1ヵ月当たり3万6,551円減額)


3年で返済したい場合=月々の返済額は約2万2,416円(1ヵ月当たり2万7,584円 減額)

返済期間3年間、5年間ともに、将来利息をカットした上で、任意整理前に負担していた月々5万円の返済額を大きく減額できます。

月々の返済額に関して外せない注意点

月々の返済額について、後に返済がうまくいかなくなることを極力避けるために、おさえておきたい注意点があります。

無理のない計画を立てること

返済計画は、無理なく立てましょう。
3~5年の長期間の返済になりますので、確実に毎月返済できると見込める金額に決めることが大事です。

返済で2回目の延滞は危険

借金をした人には、「支払が決まっている返済額は、和解で取り決めした期限までは返済をしなくてよい」と主張できる権利(利益)があります(期限の利益)。

例えば、毎月1日に3万円の返済の約束をしている場合、「1日までは返済をしなくてよい」と主張できます。

ただし一般的に、延滞を2回すると期限の利益は失われ、全額の一括請求をされてしまいます。

和解後の返済額変更は不利

2回延滞してしまった場合、返済できるように月々の返済額を変えられないわけではなく、再度交渉をして条件を決め直す再和解という方法があります。

再和解では、返済期間を少し長くするなどの方法で、もう少し月々の返済額を減らすようにして合意します。
ただし、延滞が1回もできない、利息が思うほどカットされないなど、和解条件が厳しくなることがあります

まずは、任意整理の手続きに入る前に、無理のない月々の返済額を決めることが大事です。
専門家は、任意整理後の収入や生活も踏まえながら相談にのってくれますので、専門家の知恵を借りるのは有効な選択肢の1つと言えるでしょう。

返済できなくなったときの対処法

任意整理後の返済には、3年~5年の期間がかかります。
その間に病気や失業・収入減などがあり、返済が難しくなるようなケースもあります。

その場合には、個人再生自己破産といった他の債務整理の手続きを検討してみましょう。

個人再生では5分の1程度まで債務額を減らして返済をすることが可能です。
収入や返済見通しが見込めず、個人再生が難しい場合は、自己破産で最終的に借金をゼロ(0円)にすることも考えられます。

手続きにかかる費用が心配な方は、法テラス(法律扶助協会)による立て替え払い制度の利用も検討してみるといいでしょう。

毎月の返済で心配なことが出てきたとき、ひとりで悩んでしまい状況を放置しておくと、問題が大きくなる恐れもあります。

早めに専門家に相談するのも有効な対処法になりますので、専門家にも頼りながら自分に合った対処法を考えるといいでしょう。

まとめ

任意整理を行う際の月々の返済額は、借金の総額を確認し、毎月どれくらいまでの支払いであれば無理がないかを、シミュレーションをして決める必要があります


任意整理をした後になって月々の返済額を変更するとなると、和解条件が厳しくなることが予想されます。
任意整理を始める際に、無理のない計画を立てるようにしましょう。


借金の内訳や、カットできる利息の計算などは複雑なので、専門家に相談するようにしましょう。


専門家は、任意整理後の月々の支払で困ったときにも相談にのってくれます。
費用で困った際にも対処法はありますので、問題をそのままにせず早めに相談を検討しましょう。


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