2020.03.18更新

任意整理で利息はどう免除される?利息がカットされないケースとは?

任意整理で利息がカットされれば借金問題が解決に近づく可能性があります。

そのためには

  • どのような利息がカットできるのか
  • 利息がカットされないのはどんな場合か

を知ることが大切です。

この記事では、任意整理のメリットである利息の免除について解説します。

合わせて、弁護士や司法書士のような専門家に任意整理を依頼するメリットについても詳しくお伝えします。

任意整理でカットできる利息

任意整理でカットできる利息について説明します。

  • 経過利息
  • 最後に借金を返済した日から任意整理の和解日までに発生する利息です。
    専門家の交渉期間に返済は一旦ストップしますが、利息は発生しています。

  • 将来利息
  • 任意整理の和解が成立した日から完済日までに発生する利息です。
    和解によって返済期間が3年になれば3年分の利息、5年になれば5年分の利息です。

  • 遅延損害金
  • 借金返済を滞納している期間に課される損害賠償金です。
    多くの金融会社が年利20%程度で定めています。

  • 利息制限法を超過した利息
  • 利息制限法で定められている年利15%~20%を超える部分の利息です。
    近年の借金には該当しませんが、平成19年以前に消費者金融やクレジットカードのキャッシングを利用していれば可能性があります。

原則、元金はカットできない

任意整理しても利息制限法を超過した利息がない限り、原則、元金はカットできません。
一括返済で交渉がまとまるなど、和解条件次第では元金も減らせる可能性がありますが、そもそも任意整理の目的は利息のカットなので、基本的には元金のカットは期待できません。

任意整理で利息をカットできるとどうなる

任意整理で利息をカットできるとどうなるかを、モデルケースで見てみましょう。

任意整理で将来利息と経過利息をカットして完済したケース

【32歳 男性 会社員】
銀行系カードローン100万円、クレジットカード100万円、合わせて200万円の借入れ。
どちらもリボ払いで利用して月々5万円ずつ支払っていたが、給与の減少により収入ダウン。
次回の返済に遅れそうになり専門家に相談。

任意整理で将来利息(年利15%)と経過利息(※合計98,630円)をカット。
借入先2社ともに60回の分割払いで和解。
和解までの期間は4ヵ月。
月々の返済額は5万円から3.3万円に減額できて、5年後に借金を完済。

経過利息を計算すると次のようになります。

※200万円×15%÷365日×120日(和解までの期間)=98,630円

この任意整理によって月々の返済額が2.7万円減額され、経過利息の98,630円は全額カット(0円)となりました

任意整理で将来利息と遅延損害金をカットして完済したケース

【25歳 男性 派遣社員】
銀行系カードローン50万円、消費者金融50万円、合わせて100万円の借入れ。
月々4万円ずつ支払っていたが、ギャンブルの失敗が続いて借金を90日滞納した後、専門家に相談。

任意整理で将来利息(年利15%)と遅延損害金(※49,315円)をカット。
借入先2社ともに36回の分割払いで和解。
和解までの期間は3ヵ月。
月々の返済額は4万円から2.8万円に減らすことができて、3年から5年で完済。

遅延損害金を計算すると次のようになります。

※100万円×20%(遅延損害金の利率)÷365日×90日(滞納期間)=49,315円

この任意整理によって月々の返済額が1.2万円減額され、遅延損害金の49,315円は全額カット(0円)となりました。

任意整理しても利息がカットされないケース

利息カットが難しいケースもあります。
具体的に見ていきましょう。

取引期間が短い

取引期間が短い場合、利息カットされない可能性があります。
「返済するつもりがないのに借入れを行ったのでは?」と金融会社に疑いを持たれることがあるからです。

取引期間が1年以下の場合は利息の全額カットに応じないという方針の金融会社もあります。

借金総額が少ない

借金総額が少ないと「任意整理で利息カットしなくても返済できるのでは?」と金融会社に判断されることがあります。

借金が年収の3分の1以下の場合、利息の全額カットに応じてもらえないケースもあるようです。

金融会社が経営的に厳しい

交渉先の金融会社が経営的に厳しければ、利息カットに応じてもらえないことがあります。

消費者金融や信販会社は元金を貸し出し、利息を付けて回収する事業を営んでいますが、任意整理で利息がカットされれば収入源も減少します。

経営的に厳しければ厳しいほど、利息の全額カットに応じてもらえない可能性は考慮すべきでしょう。

そもそも交渉に応じる方針がない

数は多くありませんが「そもそも任意整理の交渉に応じる方針がない」という金融会社もあります。 そのような会社と交渉しても利息のカットは難しいかもしれません。

経験豊富な専門家であれば、どの金融会社が応じやすいのか、任意整理が難しい業者はどこかなどを把握しています。 任意整理をしたい金融業者の特性が気になるときは、専門家に相談してみるといいでしょう。

利息をカットできるポイントは専門家の交渉力

自己破産や個人再生と違って、任意整理は裁判所を介していないので、柔軟性がある制度です。

交渉に応じるかどうかは各債権者に委ねられますので、専門家の交渉力と経験値によってカットできる利息が変わってくる可能性があります。

経験のある専門家は交渉のプロ

債務整理の経験が豊富な専門家は、任意整理についても把握していますので、任意整理の交渉のプロと言ってもいいでしょう。

金融業者の性格を把握している経験豊富な専門家であれば、相手の状況を先読みした交渉を持ちかけながら、将来利息、経過利息、遅延損害金を全てゼロにできるかもしれません。

複雑な利息の引き直し計算も行ってくれるので、利息制限法を超過した利息があれば元金を減らせる可能性があります。 過払い金があれば返還交渉も行ってもらえるでしょう

超過した利息がなければ元金を減らせない、という任意整理のデメリットに関しても、専門家の交渉力次第で減らせることがあります。

利息カット以外でも専門家に期待できること

交渉をうまく進められれば、利息カットに限らず何かしら負担を減らす和解契約が期待できます。

例えば利息カットに難色を示す業者であっても、専門家を頼ることで返済期間を伸ばせる可能性はあるので、そうなれば月々の返済負担を減らすことができるのです。

専門家に相談すれば、任意整理が本当に適しているかどうかについてもアドバイスを得られます。
任意整理で利息カットしても借金解決が難しいという場合は、個人再生や自己破産のような他の方法を提示してもらえるでしょう。

まとめ

任意整理には、


  • 経過利息
  • 遅延損害金
  • 将来利息
  • 利息制限法を超過した利息

のようにカットしやすい利息があります。


一方で、


  • 取引期間が短い
  • 借金総額が少ない

といった場合は利息をカットしづらいケースもあります。

ポイントは専門家の経験値と交渉力です。

任意整理の経験が豊富な専門家であれば、利息カットだけでなく、交渉次第で返済期間を伸ばせる可能性もありますので、まずは相談から検討してみてはいかがでしょうか。

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