2020.03.18更新

自己破産で保証人が追うリスクと保証人に迷惑をかけない対処法を解説

自己破産するときに保証人に迷惑がかからない方法はないかな
自己破産を検討している方はこんな風にお悩みかもしれません。

自己破産をしたら、保証人にまったく迷惑をかけずに済ませられるということはありません

  • 自己破産をしたら保証人にどんな影響があるのか
  • 自分が保証人のときどんな対処法があるのか
  • 保証人への影響を極力避ける方法はあるのか

などは特に気になるところでしょう。

自己破産と保証人については理解しておくべきポイントが多いので、ここでわかりやすくお伝えします。

保証人と連帯保証人は使える権利が違う

自己破産をする際に、保証人に全く迷惑をかけないということはできません。
では、保証人・連帯保証人とはどういう義務を負うのか、ここで押えておきましょう。

保証人と連帯保証人の違い

保証人とは、他人の身元や債務(借金)を保証する人のことを言います。
債務者(借金をしている人)が返済や支払いができなくなった場合に、代わって返済をし、支払う義務を負います。

連帯保証人は、保証人と同様に、債務者に代わって返済をし、支払う義務を負います。
また、行使できる権利は、肩代わりした返済を債務者に請求する「求償権」のみで、保証人のように行使できる権利や利益はありません。

次の3つの権利と利益は、保証人だけに与えられています。

  1. まず自分ではなく債務者に請求しろ、と主張する権利(催告の抗弁権
  2. 債務者の財産について差し押さえしろ、と主張する権利(検索の抗弁権
  3. 保証人が複数いるときは、人数分で債務を割ることができる利益(分別の利益

連帯保証人の場合は、債務者より先に請求されても、全額の請求に応じなければならず、先に差し押さえを受ける可能性があります。
検索の抗弁権を行使できず、分別の利益もなく、連帯保証人が行使できるのは債務者に対する求償権のみです。

このように、連帯保証人は保証人よりも責任が重いのです。

自己破産では「求償権」は免除される

求償権は「肩代わりした借金を返済しろ」と請求できる権利で、保証人も連帯保証人も持っています。

自己破産にならない場合は、保証人や連帯保証人が債務者に代わって弁済した額全額を、債務者に請求できますし、債務者による分割払いなどで、全額回収できる可能性があります。

しかし、自己破産すると求償権が免除されるので、保証人や連帯保証人が債務者に代わって返済した分の返済を債務者に求めることはできなくなります

自分が自己破産|保証人にはどんな影響がある?

自己破産をすると、保証人には次のような影響が生じます。

保証人には一括請求が行く

債務者が支払えないことが判明したら、金融機関等は通常、保証人にすぐ一括請求をします。

一括請求を受けた保証人は、「本人に請求してほしい」と言うことができますが(保証人の場合のみ)、本人が自己破産をして返済ができないわけですから、自身も返済をする必要が出てきます。

自分が保証人のときの対処法は、次の章「自分が保証人|相手が自己破産したとき何ができる?」で詳しくご説明しています!

機関保証の奨学金には影響がない

日本学生支援機構の奨学金について、平成16年以降適用の可能性がある機関保証制度に加入されていた方は、連帯保証人及び保証人が必要ありません。

奨学金を受けていた方が返済を延滞してしまった場合は保証機関が一括返済をするので、保証人に対する影響はありません。

自己破産しても保証人になれる

自己破産した人の場合は、信用調査機関の照会を通さない契約であれば保証人になることができます。

【保証人になれるもの】

  • 身元保証人・信用調査機関の照会を伴わない契約
  • 賃貸契約で保証会社を通さないものなど
  • ※契約内容によって破産者は保証人になれない等規定していることがあるので留意すること

【保証人になれないもの】

  • 住宅ローンその他金融機関取引
  • 保証会社を通す賃貸契約
  • 契約条項に「過去5年以内に自己破産していないこと」など、保証人の資格に指定がある貸与型奨学金

自己破産した自分が既に保証人になっていた場合

自己破産した自分が既に誰かの保証人になっている場合は、契約内容や信用調査により、保証人を交代しなければならないケースがあります。
保証人を交代しないと、一括返済を求められたり、契約の打ち切りをされたりすることもあります。

自分が保証人|相手が自己破産したとき何ができる?

自分が保証人になっているときに債務者が自己破産をした場合の対処方法についてご説明します。

保証人が使える権利を使う

「まず債務者に請求してください」(催告の抗弁権
「差し押さえは債務者からかけてください」(検索の抗弁権
「ほかにも保証人がいるなら、全額ではなく人数で割ってから請求してください」(分別の利益
この3点を主張して、保証人の権利を使うことができます。

債務者の自己破産の場合、債務者は全額を払えないので、保証人が残りの債務を弁済することになります。

しかし、保証人が権利を主張することで、自己破産手続きで受けられる配当の分は、債権者からの請求額を減らせます
また、自分の預金や不動産などの財産に、債務者が負っている借金全額分の強制執行をかけられて差し押さえられる、というリスクも減らせます。

注意が必要なのは、連帯保証人の場合は権利が使えないということです。 自分が連帯保証人なのか保証人なのかは、確認しておきましょう。

債務整理を検討する

連帯保証人の場合は特に、一括で全額の請求が来ることになりますので、場合によっては高い金額を請求される可能性もありえます。

払えそうにない金額のときは、債務整理を検討するのも一つの方法です。

債務整理には、任意整理・個人再生・自己破産があります。
分割であれば支払える場合は、任意整理・個人再生が向いているかもしれません。
無理をせず専門家に早めに相談をしましょう。

保証人になった場合の注意点

債務者が自己破産をした場合、大多数のケースで免責により債務者は債務を免れることができます。
しかし、保証人には免責が適用されません
保証人として負っている債務全額の弁済が必要になるのです。

また、債務者に代わって立て替えて支払った債務は、債務者に請求できますが(求償権)、自己破産した債務者には全額の請求ができません。

保証人のリスクを避けるために押さえておきたい方法と注意点

保証人に迷惑をかけないために、自己破産以外の方法があります。
保証人に関する大事な注意点もありますので、念頭に置いておきましょう。

任意整理は保証人のリスクを避けられる

任意整理は、整理する債務を選ぶことができます。 保証人付きの債務を、任意整理の対象から外せば、保証人に迷惑をかけることはありません。

また、個人再生や自己破産のように裁判所が入る手続きと違うので、柔軟な進め方が可能です。 保証人の協力のもと、保証人と連名で任意整理をすることもできます。 借金の額が大きい場合で、保証人も請求額を払えない場合などには検討してみましょう。

保証人がいることを隠すと不利になる

保証人がいることを隠しておけば、保証人には迷惑がかからないのでは?
と考える人も少なくないようです。
しかし、保証人を隠すことは次の2点で重大な問題となるので絶対にやめましょう。

破産法で禁止されている

保証人を隠すことを破産法は禁止しており、最悪の場合は詐欺破産罪に問われます。
免責も受けられなくなる恐れがあり、そうなれば借金はなくなりません。

保証人にもリスクがある

債務者が保証人を隠したとしても、保証人に対して調査をする可能性があります。
例えば「保証人から、隠してほしいと頼まれた」という悪質な場合、詐欺破産罪の共犯に問われることもあります
金融機関にそうした事実が判明した場合は取引もできません。

保証人に迷惑をかけたくないという思いが先走って判断を誤らないように、くれぐれもご注意ください。

まとめ

自己破産の手続きをすれば、保証人に何かしらの影響が及ぶのは避けられません。


保証人の協力を得ながら速やかに手続きを進めるためにも、保証人には、自己破産を検討し始めたら早めに知らせることをおすすめします。


自己破産だけが解決手段ではありません。
何がベストの選択肢なのかを含めて、専門家に相談してみるのもいいでしょう。

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